抗うつ薬は、「心の痛み止め」に過ぎない――薬の役割について


抗うつ薬は、「心の痛み止め」に過ぎない――薬の役割についてこんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

先日見たテレビ番組「カンブリア宮殿
では、農協に立ち向かって、独自の
お米産直会社を作った涌井 徹氏が
取り上げられていました。

「やりがいのある、儲かる農業」
を旗印にして、今や日本一の産直会社に
なっているだけあり、既存商品に
留まらず、次々と新しい商品や
サービスを展開しておられます。

頭が下がる思いの人ですが、
私が最も印象深く感じたのは、
「ピンチはチャンス」という思考法が
徹底していることです。

会社を立ち上げたのも、
農協が農家に強制的に減反させ、

従わない農家には、せっかく育てた
稲を青いうちに無理やり刈り倒す
「青刈り」という残酷な仕打ちに
怒り爆発したことがきっかけでしたし、

現在の農業従事者の平均年齢が
70歳で、5年後には農家人口の
8割がいなくなるという事実に対しても

「だからこそ、耕作放棄地を一挙に
集約して、新たな大規模農業に
変革できるチャンスだ」
と述べており、

このめげない精神、何でも
ポジティブにとらえ、それを活かす
行動として転換していく考え方

ここまで会社を発展させ、
同時に農家と消費者、ひいては
日本全体の産業に貢献している
のだなあと、感銘を受けました。

まさに、認知行動療法(後述)を
地で行っているような方ですね。

 

以下の文章の一部には
今年の6月にも書いた記事も少し入っていますが、
何度強調してもし過ぎることはない
ポイントなので、再度掲載します。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

「うつ病になったら心療内科を受診して
 抗うつ薬をもらえば良い」

というのが、医学会や厚生労働省が
指導している「正しい対処法」です。

「早期発見、早期治療を」
というわけです。

しかし実は、薬だけに頼っていては
効果は一時的で、
根本治療になりません。

それはちょうど、虫歯の痛みに
どう対処するか、というのに似ています。
痛み止めをのめば、とりあえずその場は
症状は治まるかもしれません。

しかし虫歯そのものの治療を
しなければ更に進行し、
やがて痛み止めでは効かなくなります。
うつ病も同じです。

どん底の時期を一時的に少しマシに
してくれることはありえますが、

それに平行して
「根本治療」をしない限り、
また症状がぶり返します。

では、「根本治療」とは
何をすれば良いのでしょうか?

ーーーーーーーーーーーーーー

虫歯の治療や予防において
大事なことは

・歯に悪い食べ物を減らし、
 良い食べ物を増やす

・歯磨きを毎日する、
 だらだら間食しない、
 といった生活習慣の改善

・正しいブラッシング法を
 身につける

などが代表的ですね。

うつなどメンタルな症状について
あてはめるなら

・ストレスを減らすのに有効な
 価値観(ものの見方、考え方)
 を学ぶ

・その新しい価値観に基づいて
 毎日練習する、つまり
 日々の出来事について新しい価値観で
 考え、言動する練習を積み重ねる

・メンタル症状を軽くするような
 行動を取る
(運動、栄養、瞑想など)

がポイントとなります。
順番に見ていきましょう。

1)ストレスを減らすのに有効な
 価値観(ものの見方、考え方)
 を学ぶ

2)その新しい価値観に基づいて
 毎日練習する、つまり
 日々の出来事について新しい価値観で
 考え、言動する練習を積み重ねる

うつ病の治療において、
厚生労働省や国内外のうつ病学会
が勧めている治療法は

薬物療法と心理療法
(心理カウンセリング)です。

特に薬と心理療法の併用が最も
効果が高いという研究結果が出ています。

心理療法は、形として見えず
なかなか成果を数値で
測定しづらいのですが、

これまでさまざまな手法・流派の
発表を比較した結果、

認知行動療法(CBT)」と
対人関係療法(IPT)」が
「確かに有効だった」という
結論(エビデンス)を得ています。

このうち、特にCBTの最も中心的な
考え方(テーマ)が、

「人が感じるストレスの度合いは
出来事そのものではなく、その
出来事を本人がどう解釈したかによる

というものです。

例えば街を歩いていて、
向こうから知人(Aさんとしましょう)が
来るのが見えたとします。

あなたは反射的に手をあげ
友人の名を呼びますが
相手は無反応で通り過ぎたとします。

この時にあなたがこの出来事を
どう解釈するかで
ストレスが高くも低くもなる、
というのがCBTの前提です。

もしもあなたが

「Aさんは私を無視した。
私を嫌っている?

そういえば前回会ったときに
あんなことを私が言ったから
それで怒っているのでは」

と考えたとしたら、
途端にこの事象は
「友情の崩壊の危機」を示す
恐ろしい出来事になってしまい、

この時から何時間も、
場合によっては何か月間も

「どの発言がまずかったのだろう?」
「Aさんと絶交になったらどうしよう?」

ストレスを持続させることに
なってしまいます。

ネガティブな気分は思考までも
ネガティブにしてしまうため、

「考えてみれば、いつも私は
 親しい関係を続けられない」

「こんなことでは将来も
本当に信頼できる友人も恋人もできない。
結婚もできず孤独死したらどうしよう」

などと、今回の出来事に留まらず
過去の後悔や未来への不安にまで
ふくらんでいってしまいます。

しかし同じ事象でも

「あら。Aさん、私に
気づかなかったみたい。

何か考え事していたのかな?
それとも、頭痛でもあって
それに気を取られていたのかも」

と考えられれば、ただの
ニュートラルな一過性の出来事
に過ぎず、

自分の次の用事に意識がいくので
数分後にはAさんと
すれ違ったことさえも
ほとんど忘れてしまいます。

どちらも、あなたに起きた
外部的な出来事は同じ。

それをどう受け止めるか、つまり
解釈という、内部の作業の仕方を
変えるだけで、

あなたの受けるストレスは
全く違うものになるのです。

いつどんな出来事が身に降りかかるかは
自分でコントロールできません。

ですから、「絶対に嫌なことが
起こらないようにしよう」
と画策するのは非現実的です。

しかし起きたことに対して
どう解釈するかは、あなたの
訓練次第でいくらでも改善可能
なのです。

ただ、受け止め方、解釈の仕方は
「心の生活習慣」なので、
身体の生活習慣や筋トレと同様、
頭で勉強しただけでは身につかないですし、

毎日練習し続けて、新たな「習慣」
にまでならないと身につきません。

CBTをはじめ、心理カウンセリング
(心理療法)では、日々のできごとを
どう解釈すればより効果的に
ストレスを減らせるかを
練習していきます。

毎日の生活が訓練の場。

そこで実践して上手くいったこと、
そうでなかったことを自宅で記録し、
カウンセリングの場では

それをカウンセラーに報告し、
フィードバックを受けます。

この繰り返しで、永年の間に
身についていた「考えぐせ」を
より合理的でストレス低減になる
考え方に置き換えていきます。

考えぐせの内容や程度は
個人によってさまざまです。

ですからカウンセリングは基本的に
1対1のパーソナルなものが
必要となります。

ちょうどテニスやゴルフを学ぶ際に
我流でやっていると
ある程度以上は成果が
上がらないのと一緒で、

優秀なパーソナル・コーチに
ついてもらい、あなた独自の
フォームのくせを指摘してもらって
初めて、課題や直し方がわかるのです。

3)メンタル症状を軽くするような
 行動を取る
(運動、栄養、瞑想など)

これについては、既にこの記事が
長くなりましたので、
続きを次回に書きますね。


浜野ゆり

浜野ゆり の紹介

ホリスティック精神科医。通常の精神医学や心理学の他、心身を癒す分子整合(オーソモレキュラー)医学にもとづく栄養療法や、催眠療法・瞑想・レイキ・アロマさらには占いも習得。これらをフル活用してみなさまの統合的健康と幸せ感獲得のお手伝いをします。
カテゴリー: うつ病   タグ: , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , ,   この投稿のパーマリンク

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