精神安定剤としての栄養――その効果とは


精神安定剤としての栄養――その効果とはこんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

前回のこのシリーズの記事では
「うつへの運動療法」
についてお伝えしましたが、

今回は
「うつ病克服を邪魔する5つの誤解」
の4つめ、

3)栄養への誤解:
   栄養とメンタルは無関係、
   せいぜい気休め程度

についてお話しします。

「ファーストフードやお菓子ばかり
食べている子はキレやすい」

「健康な心身を作るには
バランスの取れた食事が重要」

こうした話はよく聞きますし、
普通に考えても正論ですね。
ただし「バランスの取れた食事」とは
具体的にどのようなものなのか

野菜ジュースや果物、
スポーツドリンクや栄養ドリンク、
和食や玄米菜食といった、一見
「健康的な」食物が果たして本当に良いのか、

逆に
「肉を食べるとがんになる」
「卵を食べるとコレステロールが上がる」
「断食でデトックスすれば健康になる」

といったことは本当なのか?
一つずつじっくり検証する必要があります。

そして人には個性もあるので、
「自分の場合はどうか?」という
視点も必須です。

世の中には様々な健康法、
食事法が提唱されていますが、

本書でお勧めしているのは
「オーソモレキュラー(分子整合)栄養療法」
といわれるもので、

これはカナダの精神科医
エイブラム・ホッファーが、
ノーベル賞受賞の化学者ライナス・
ポーリングと共に開発した方法です。

注目すべきはこの栄養療法が、単に
「健康を維持する、病気を予防する」
レベルを超えて、

統合失調症やうつ病など、
本格的な精神疾患治療用に開発され、
効果を確認されているものだという点です。

そして開発されてからもう、
半世紀近く経っており、日本に
導入されてからも四半世紀以上経ちます。

ただ、「標準医療」ではないので
保険は適応されませんし、
医師の95%以上はまだ
この栄養療法自体を知りません。

医学部の教育課程の中では、
栄養学はほとんど習いませんので、

医師は「栄養程度で
病気が治れば苦労しないよ」
という認識でいます。

かつての私自身もそうだったので、
その気持ちはよくわかります。

しかし実際には、例えば

ビタミンB群が十分にあると
意欲や集中力が高く、
不足するとそれらが低下するだけでなく、
不眠になったり、悪夢を見やすくなる

鉄不足うつ気分や不安焦燥感が出てくる

ナイアシン欠乏で幻聴や妄想が出てくる

といったことがわかっています。

 

<事例>30歳女性 マタニティ・ブルー

Aさんはこれまで特に大きな
不調もなく過ごしてきました。

結婚し初めて妊娠した際、
母親教室に行ったところ

「お母さんがあまりタンパク質を食べると
子供にアレルギーが起きやすくなる」

と教えられ、意識的に
肉・卵・魚を控えるように。

すると1か月経つ頃から
肌がカサカサし始め、
かゆみを覚えるようになり

3-4か月後には次第に意欲が低下、
うつ気分も初めて感じるようになってしまい、

うつを良くしたいが
薬はのむわけにはいかないということで、
栄養療法クリニックを初診されました。

血液検査にて

・重度のタンパク質不足
・鉄や亜鉛などのミネラル不足
・ビタミンB群不足

などが見られたため、
治療用サプリメントの処方を
受けるとともに
食生活指導を受けました。

その内容は、
「卵はほぼ毎日1-2個食べて良い、
肉や魚もしっかりしたサイズのものを
毎食主菜として食べること、

間食も糖質(パン、おにぎり、お菓子など)
ではなく、ゆで卵やチーズなど
タンパク質ものを摂ること」

もちろん野菜も十分摂ることが前提です。

この食生活に変更して数週間後から、
心身の不調は軽減し、
出産やその後の育児も順調に
行なうことができました。

母親の栄養状態が赤ちゃんの一生を左右する

妊娠中に母親が極端なダイエットをすると、
産まれてきた子が将来
糖尿病になるリスクが高い
ことがわかってきましたが、

その他にも、

母親の食事が不十分で
亜鉛や鉄不足があると、
生まれてきた子が新生児アトピーに
なりやすいことがわかっています。

逆に、十分な栄養の元で
育った胎児は生まれた直後から
一晩6時間程度しっかり
眠れるので夜泣きが減る

不安が少なく機嫌が良い、
知能の発達が良い、
といったことが、

この栄養療法を受けた
患者さんたちで確認されています。

また高齢期においても、
栄養は人生の質を左右する重要な条件です。

高齢期でも栄養状態が重要なわけ

認知症とは一種の生活習慣病であり、

脳を含む体内に「サビ」(生命活動
での代謝中に生じる酸化物)が
溜まることによる現象だ、

ということが最近の研究で
ますます明らかになってきています。

ビタミンCやE、DHAなどは
「サビ止め」作用があるので、
認知症のリスクを減らします。

さらには、睡眠が慢性的に
不足している人は認知症リスクが
高まることがわかっていますが、

上述のようにビタミンB群で
睡眠の質が上がるので、
その意味でも
認知症予防効果があるのです。

次回の記事では、
統合失調症に
劇的に栄養療法が効いた
事例についてお伝えします。


浜野ゆり

浜野ゆり の紹介

ホリスティック精神科医。通常の精神医学や心理学の他、心身を癒す分子整合(オーソモレキュラー)医学にもとづく栄養療法や、催眠療法・瞑想・レイキ・アロマさらには占いも習得。これらをフル活用してみなさまの統合的健康と幸せ感獲得のお手伝いをします。
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