心理カウンセリングで効果を上げるために、あなたに必要なものとは?


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

前回の記事では、心理カウンセリングの
効果の有無を左右する2つの要因のうち、
カウンセラー側のことをお話しました。

今回はもう1つの要因、クライアント側、
すなわち相談する当事者=あなた
側の要因についてご説明します。

②クライアント側の要因

ポイントは以下の2つです。

a.「治してもらう」のではない

b.自分の中の原因を認め、
 自分で改善する行動力が必要

ともすると

「腕が良く、自分と気の合う
カウンセラーに出会えれば、

一人では思いもよらなかった
素晴らしいアドバイスを
受けることができ、それに従えば
たちまち悩みが解消する」

といった幻想を抱いてしまいがちです。

しかし実際には、カウンセラーとの
関係も、一つの人間関係です。

人間関係である以上、自分が
他の人との間に作ってしまう
好ましくないあり方を、つい

カウンセラーとの間でもまた作ってしまい、
カウンセリングの場が上手くいかなくなる
要因になることは珍しくありません。

例えば
「いつも他人に便利に使われてしまう」
パターンがある人の場合、

他人に対して正当な主張ができなかったり、
人の親切を素直に受け止められず
「皮肉だろうか?」
「何か後で不利な目に遭うのでは?」

などと勘ぐってしまい、
相手が善意で言動してくれているのに
それを受け取れない場合があります。

こういう人はカウンセリングの場でも、
カウンセラーの自分への理解や助言が
的外れだなと感じても自然な形で
修正を求められず、

間接的に不機嫌な態度をもって
知らせようとしたり、
カウンセリングの場からドロップアウトし、

「やっぱりカウンセリングなんて
(あるいは、あのカウンセラーも)ダメだった」

と結論づけてしまいます。

しかしいくら腕の良いプロであっても、
カウンセラーも人間。

相手を理解しそこねたり、的外れな
助言をしてしまうこともあります。

そこで

「それは違います」
「今いわれたことで、こういう気持ちに
なったので、気をつけてほしい」

などとクライアントに言ってもらうことで
カウンセラーも「ああ、そうなのか」と
気づけるので、
その後2人の関係はより深まります。

本当に仲の良い夫婦や親友は
喧嘩を建設的に繰り返しながら
お互いにとってかけがえのない
ものになっていきますが、

カウンセリングにおける人間関係も、
そのようにして両者の共同作業で
作り上げていくものなのです。

また、カウンセラーによっては、
面談の間に行なう宿題を出す場合もあります。

例えば認知行動療法においては、
ネガティブな思考が浮かんできた時に
何をしていたか、その時の思考内容、

それをどのように修正可能か、
その結果気分はどう変わったか、
などを記録するよう指示されるでしょうし、

対人関係療法なら、特定の身近な人
(家族など)に対して、それまでとは
違ったものの言い方を
練習するよういわれるでしょう。

より早く確実に自分を改善したいなら、
そうした課題に積極的に
取り組むことが必要条件です。

すなわち、「症状をきたした原因の、
少なくとも一部は自分にある」ことを
受け入れ、

自分を変えることで症状を
克服する(手なずける)のだ、という
意志が必要となるのです。

ちなみに私自身も医学生時代から10年間、
ほぼ毎週心理カウンセリングを
受けに通っていましたが、

そのカウンセラーに落ち着くまでには
3人のカウンセラーにかかりました
(ただし帰省時に面談したなど、最初から
1回で終わることがわかっていた人も含む)。

ですから、自分に相性が合うカウンセラーに
出会うまで数人試してみるのは悪くない
思いますが、

上記の2点の誤解を
自分がクリアしているかを確認
することは忘れないでください。

次回は、うつ病克服を邪魔する
5つの誤解の3番め、
「身体症状への誤解」
についてお伝えします。


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心理カウンセリングの効果は、受け方次第


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

前回の記事では「うつ病克服を邪魔する5つの誤解」
のうち、1つめとして「精神科薬への誤解」について
解説しました。

今回は誤解の2つ目、心理カウンセリング
についてご説明します。

2)心理カウンセリングへの誤解:
心理カウンセラーが解決策を教えてくれる

心理カウンセリングにおいては、
カウンセラー側の要因と、
クライアント側の要因の両者があります。

①カウンセラー側の要因

日本では、心理カウンセリングの中でも
カール・ロジャースという先生が提示した
「来談者中心療法」が、
長く主流になってきました。

現在はかつてよりも他の手法
認知行動療法、対人関係療法など)を
取り入れる人が増えてきたものの、

心理カウンセリングを学ぶとなれば
現在でもまずはロジャーズ派がベースとなります。

で、ロジャーズ派の中でもキーワード
となるのが「傾聴」「支持的」「共感」
ということになりますが、この意味を
誤解しているカウンセラーが結構多いのです。

どうもロジャーズ派の人は、
クライアントの話を「うんうんと共感して聴く」
のが一番と思っている人がまだ多く、

このためクライアント側からすると
「聞くばかりで、アドバイスをくれない」
という不満になり、カウンセリングを
ドロップアウトすることがよく見受けられます。

実際にはロジャーズ氏は、
じっくりクライアントの話を聞いて
理解したうえで、積極的に
助言を与えることもありました。

時にはわざと挑戦的な言い方をして、
クライアントの内面を揺さぶる
ことすらありました。

しかしそれも、ロジャーズが
相手の状態を把握し、クライアントの
気づきを促す作戦として
最も有効だと判断してのことです。

しかし未熟なロジャーズ派の
カウンセラーはそこまでできず、
ただ受け身にクライアントの話を聞くだけで
終わってしまう、ということが多々あります。

次回は、クライアント側の要因について
ご説明します。


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うつ病克服を邪魔する5つの誤解とは?


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

前回までの記事で、精神衛生(メンタルヘルス)
を正しく知り、不調時の対処法を知る必要性が
いかに高まっているかをお伝えしてきました。

ところが世間ではまだまだ、
メンタルな分野についての誤解が蔓延しており、
それが症状の改善を妨害しています。

最も典型的なものとして、ここでは
うつ病を取り上げていきます。

「うつ病克服を邪魔する5つの誤解」
といえるものがあります。

それは、以下のものです。

 

1)精神科薬への誤解

2)心理カウンセリングへの誤解

3)身体症状への誤解

4)栄養への誤解

5)スピリチュアルへの誤解

 

一つずつ、解説していきますね。

 

 

1)精神科薬への誤解

 

薬――特に精神科の薬へは、
極端な2つの見方があります。

しかし私は、重症の入院患者を含めた
患者さんたちを診てきた経験から、
この両極端な見方はどちらも、

メリットよりもデメリットの方が
大きいと考えています。

 

誤解①:薬さえのめば治せる

 

特にうつ病や不安障害圏の患者さんに多いのが、

「自分にピッタリ合う薬さえ見つかれば、
症状がきれいに取れ、2度と悩まずに済む」

という考え方です。

確かに、特定の薬でうつ症状が
劇的に治まることもあります。

しかしこの効き方は、歯痛に対する鎮痛薬と同様、
一時的な対症療法に過ぎず、根本的な対策

(虫歯なら食生活の改善や
正しいブラッシング法を学ぶこと)を
自分で毎日続けない限り、数週間から
数か月でぶり返してしまいます。

 

うつ病でいう「根本的な対策」とはたとえば

・起こった物事に対しての受け止め方を、
より中立的でストレスの少ないものに変える

・何度も同じことを思い悩まない

といったことを、毎日何度も練習し続ける
ということがポイントになります。

 

生活習慣病という言葉がありますが、
うつも不安も、一種の「心の生活習慣病」です。

そして習慣である以上、新たな、
良い習慣で何十回も上書きして
初めて、徐々に定着してきます。

歯科のブラッシングもそうですが、
スポーツや語学の習得の例で考えて
いただいてもわかりやすいでしょう。

ともかく1度や2度では上手くいかないのは
当たり前で、失敗でも何でもありません。

単なる練習不足なので、
上達するには練習あるのみなのです。

しかし「理想の薬」を求めてしまうと、
自分が練習するという部分が欠落してしまいます。
結果として、症状も改善しません。

 

 

誤解②:薬は全て有害なので、絶対のんではいけない

 

一般の方のみならず、一部の医師も
このようなことを発信している人がいますが、
これにも賛成できません。

これも痛みの例で考えてみて
いただければわかると思いますが、

例えば歯痛で七転八倒している時に

「健康的な食生活とは…」

「正しいブラッシング法は…」

などと助言されたって、

「いいから、先に早く痛みを取ってよ!
話はそれからだ!」

という気持ちになりますよね?

あまりにも痛みがひどい中では、
まともに考えることも、行動することも
ままなりません。

 

うつなどの精神症状も同じです。

激しい興奮、幻覚妄想、不安焦燥の
中にあるときに心理カウンセリングを
受けても耳に入りませんし、

ほとんどの場合不眠も重度なので
まずはしっかり眠りを回復
させてあげることが重要です。

精神科薬は、このような重症の時期に
必要最少の種類と量を厳選して
一時的に使うことで、症状による
心身の消耗を抑え、回復しやくするのです。


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メンタルヘルスのセルフケア法を知ることは健康管理上必須となった。そして社会的にも・・・


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

前回は、現在の日本人はなぜ
幸福を感じにくくなっているのかの
理由の4つのうち、2つについて
お伝えしました。

今回は残り2つについて
ご説明します。

3)人生の意味を考える需要が増えている

前回お伝えした世相を反映してここ数年、
「生きる意味とは?」
「死んだらどうなるのか?」

というテーマに正面から取り組んだ書籍が次
々とベストセラーになっています。

例えば

『人は死なない』

著者の矢作直樹氏は
東大救急医学の教授で、
生死の境をさまよう人々を

毎日観察してきた経験から、
肉体は滅んでも魂はその前後
ずっと続いているのでは、
という結論を書いています。

大学というアカデミックな所に所属する
臨床医が実名でこのような本を発表するのは
非常に勇気が必要だったと思いますが、

すぐにベストセラーになり、
その後も何冊も次々と出版されています。

『なぜ生きる』

同じことの繰り返しのこんな毎日に、
何の意味があるのだろう?

精神科医と哲学者が、生きる意味についての
こうした問いに答えています。

著者の小池龍之介氏は、若き僧侶。
日々あれこれ思い悩んでしまうクセを、
練習で軽減するノウハウを書いています。

著者は緩和医療(ホスピス)医。
千人を超える末期患者の見送った際、患者が
「生前、もっとこうしておけばよかった」
ということのトップ25項目を集めたものです。

後悔することはパターン化しているので、
それを元気なうちに知り、
日々の生活の中で準備しておけば、いざ他界する際にも後悔は少ない
だろうから、という理由からです。
実際、「当分生きているだろう」という前提だと、
日常の些細なことにも一喜一憂しますが、
間もなく死が訪れるという視点で人生を見ると、
今一番何が大切なのかが見えてきます。
4)企業においても、メンタルヘルスの健康管理は義務となった
さらには、特定健康診断(いわゆるメタボ健診)
に引き続いて、2015年12月からは、
従業員50人以上の企業の社員に対して
ストレスチェックが義務化されることが決定しました。

すなわち「自分は健康だし、自分の会社は
病人を出していないから大丈夫」ではなく、

管理者側としても従業員のメンタルヘルスに
目配りするのはもはや常識、
かつ義務になってきています。

つまり、

「うつ病になる人は心が弱いのだ」
「人生、気合いだ。死ぬ気になれば、何でもできる」

といった精神論、根性論では
社会的に通じなくなっているのです。

ではこのような状況下で
どのようにすれば自分のメンタルを
改善できるのでしょうか?

次回からはその点を、まずは
メンタルの改善を阻んでいる
いくつかの誤解から
お伝えしていきます。



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幸福度は環境条件ではなく、自分の内面が決める


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

前回の記事で

日本は世界101か国のうち、
 幸福度が43位と低く

自殺率は13位と非常に高い

・日本での年間の自殺者数は
交通事故死者数の7倍近くもある

・これは経済状態がもっと悪い他の
いくつかの国よりも状況が悪い

ことをご説明し、その要因として
4つのものが考えられることを
お伝えしました。


1
)モノやお金、社会的地位など
 外部要因では幸福になれなくなってきた

戦時中や戦争直後は、戦闘や怪我、
感染症、栄養失調などで
多くの人が亡くなりましたが、
自殺者は少なかったのです。

その理由は、生きながらえるので精一杯で、
今夜のご飯が手に入ればそれだけで幸せ、

雨風しのげる屋根や最低限の靴や服が
身にまとえれば幸せ、というレベルで
幸福感を感じることができていたからです。

また戦後の高度成長期には、
「所得倍増計画」政策に代表されるように
「がんばればそれだけ収入が上がり、出世する」

という因果関係がはっきりしていたため、
行動するモチベーションがいくらでも
湧き上がってきました。

そして人々は白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫
といった家電版「三種の神器」、次いで
自家用車」、その後は「マイホーム」と、

次々と幸せの象徴を手に入れることで、
実際に幸福感を感じることができました。

しかしその後は次第に物質的には恵まれ、
モノを手に入れたからといって
幸せは感じにくくなっていきました。

昭和末から平成冒頭にかけてのバブル期では
誰でも株や土地を買ってにわか金持ちになる
というバブルに入りましたが、数年で崩壊。

その後日本は20年にわたる
デフレで経済が停滞しました。

外部に幸せを求めていた
私たちのメンタリティーでは、
幸せを感じることが困難な
時代になっているのです。


2
)地域コミュニティでのつながりや、
基盤となる強い価値観が失われた

以前は村や町レベルで、家族を越えた
地域のつながりがありました。

それは時に排他的だったり、
長年の風習を固守しようとするあまり
硬直した時代遅れの価値観に支配されていて、
構成員にとって不自由な部分もありましたが、

一方で、その規範に沿っている限り、
周りの人たちに相談したり、アドバイスを
受けたり、助けてもられたりしたものです。

しかし戦後は政治体制も経済システムも変わり、
人口の都市集中化・核家族化で各家庭が孤立し
また核家族の中で育った子は

自分が親になったときにわが子にどう関わって
良いのかがわからず、育児のあり方も
バラバラになり、親自身の
不安も非常に高まりました。

地域のつながりの希薄な中、
家族以外の他人との付き合い方に
困難を覚える人が増え、それが大量の不登校・
出社拒否の人々を生み出すようになっています。

自分の規範となる枠組みは、
従来は宗教や道徳が担っていましたが、
周囲の大人たちによる道徳・
倫理教育が行われなくなり、

かといって
他の大部分の国々のように
「前提としてこの教えを信じる」
という国民的宗教もありません。

学校でも教師は勉強は教えられても、
人生の意味とか生まれてきた目的などは
教えることができません。

その結果、精神状態が悪化したときも、
各自が我流、試行錯誤で改善法を
探るしかないのですが、残念ながら
不成功に終わる場合がとても多いのです。

次回は、残り2つの項目について
ご説明します。


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なぜ、メンタルを自分で改善するスキルを学ぶ必要があるのか?


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

あなたは現在、毎日の生活で、
どのくらい「幸せだ」と
感じておられるでしょうか?
2013年発表の国連の調査によると、
日本人の幸福度は世界101か国中43位。

1位はデンマーク、10位がオーストラリア、
米国17位、イギリス22位、
フランス25位、ドイツ26位ですから、

特に先進国中で、日本の幸福度は

非常に低いことが判明しました。

ちなみに上位10か国は、以下です。
1.デンマーク
2.ノルウェー
3.スイス
4.オランダ
5.スウェーデン
6.カナダ
7.フィンランド
8.オーストリア
9.アイスランド
10.オーストラリア
目を引いたのが、財政破たんの高リスク国の
グループ「PIGS(ポルトガル、イタリア、
ギリシャ、スペイン)」の4国のうち、
スペインが38位と日本よりも高位で、
イタリアでさえ45位と、
日本とほとんど変わらないことです。
また、2015年現在の急激な石油安で
今後の破たんも心配されている
ベネズエラも20位と良好で、
少なくとも経済状況と幸福度が
直結していないことは、
誰の目にも明らかでしょう。
逆に自殺率では、日本は13位ととても高い
(ちなみに米国は34位)。
実際、我が国での年間自殺者数は
1998~2011年まで3万人を超え、
その後は少し減ったものの、
依然2万7千人台で高止まりしています。

交通事故死者数は年間4400人程度ですから、
その何倍もの人が自らの命を絶っているのです。

では、なぜこんなに精神状態が
悪化しやすくなってしまったのでしょう。
その要因は、以下の4つの面から
考えることができます。

1)モノやお金、社会的地位など
外部要因では幸福になれなくなってきた
2)地域コミュニティでのつながりや、
基盤となる強い価値観が失われた
3)人生の意味を考える需要が増えている
4)企業においても、メンタルヘルスの
健康管理は義務となった
次回から、順番に見ていきましょう。

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