うつ病克服を邪魔する5つの誤解とは?


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

前回までの記事で、精神衛生(メンタルヘルス)
を正しく知り、不調時の対処法を知る必要性が
いかに高まっているかをお伝えしてきました。

ところが世間ではまだまだ、
メンタルな分野についての誤解が蔓延しており、
それが症状の改善を妨害しています。

最も典型的なものとして、ここでは
うつ病を取り上げていきます。

「うつ病克服を邪魔する5つの誤解」
といえるものがあります。

それは、以下のものです。

 

1)精神科薬への誤解

2)心理カウンセリングへの誤解

3)身体症状への誤解

4)栄養への誤解

5)スピリチュアルへの誤解

 

一つずつ、解説していきますね。

 

 

1)精神科薬への誤解

 

薬――特に精神科の薬へは、
極端な2つの見方があります。

しかし私は、重症の入院患者を含めた
患者さんたちを診てきた経験から、
この両極端な見方はどちらも、

メリットよりもデメリットの方が
大きいと考えています。

 

誤解①:薬さえのめば治せる

 

特にうつ病や不安障害圏の患者さんに多いのが、

「自分にピッタリ合う薬さえ見つかれば、
症状がきれいに取れ、2度と悩まずに済む」

という考え方です。

確かに、特定の薬でうつ症状が
劇的に治まることもあります。

しかしこの効き方は、歯痛に対する鎮痛薬と同様、
一時的な対症療法に過ぎず、根本的な対策

(虫歯なら食生活の改善や
正しいブラッシング法を学ぶこと)を
自分で毎日続けない限り、数週間から
数か月でぶり返してしまいます。

 

うつ病でいう「根本的な対策」とはたとえば

・起こった物事に対しての受け止め方を、
より中立的でストレスの少ないものに変える

・何度も同じことを思い悩まない

といったことを、毎日何度も練習し続ける
ということがポイントになります。

 

生活習慣病という言葉がありますが、
うつも不安も、一種の「心の生活習慣病」です。

そして習慣である以上、新たな、
良い習慣で何十回も上書きして
初めて、徐々に定着してきます。

歯科のブラッシングもそうですが、
スポーツや語学の習得の例で考えて
いただいてもわかりやすいでしょう。

ともかく1度や2度では上手くいかないのは
当たり前で、失敗でも何でもありません。

単なる練習不足なので、
上達するには練習あるのみなのです。

しかし「理想の薬」を求めてしまうと、
自分が練習するという部分が欠落してしまいます。
結果として、症状も改善しません。

 

 

誤解②:薬は全て有害なので、絶対のんではいけない

 

一般の方のみならず、一部の医師も
このようなことを発信している人がいますが、
これにも賛成できません。

これも痛みの例で考えてみて
いただければわかると思いますが、

例えば歯痛で七転八倒している時に

「健康的な食生活とは…」

「正しいブラッシング法は…」

などと助言されたって、

「いいから、先に早く痛みを取ってよ!
話はそれからだ!」

という気持ちになりますよね?

あまりにも痛みがひどい中では、
まともに考えることも、行動することも
ままなりません。

 

うつなどの精神症状も同じです。

激しい興奮、幻覚妄想、不安焦燥の
中にあるときに心理カウンセリングを
受けても耳に入りませんし、

ほとんどの場合不眠も重度なので
まずはしっかり眠りを回復
させてあげることが重要です。

精神科薬は、このような重症の時期に
必要最少の種類と量を厳選して
一時的に使うことで、症状による
心身の消耗を抑え、回復しやくするのです。


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メンタルヘルスのセルフケア法を知ることは健康管理上必須となった。そして社会的にも・・・


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

前回は、現在の日本人はなぜ
幸福を感じにくくなっているのかの
理由の4つのうち、2つについて
お伝えしました。

今回は残り2つについて
ご説明します。

3)人生の意味を考える需要が増えている

前回お伝えした世相を反映してここ数年、
「生きる意味とは?」
「死んだらどうなるのか?」

というテーマに正面から取り組んだ書籍が次
々とベストセラーになっています。

例えば

『人は死なない』

著者の矢作直樹氏は
東大救急医学の教授で、
生死の境をさまよう人々を

毎日観察してきた経験から、
肉体は滅んでも魂はその前後
ずっと続いているのでは、
という結論を書いています。

大学というアカデミックな所に所属する
臨床医が実名でこのような本を発表するのは
非常に勇気が必要だったと思いますが、

すぐにベストセラーになり、
その後も何冊も次々と出版されています。

『なぜ生きる』

同じことの繰り返しのこんな毎日に、
何の意味があるのだろう?

精神科医と哲学者が、生きる意味についての
こうした問いに答えています。

著者の小池龍之介氏は、若き僧侶。
日々あれこれ思い悩んでしまうクセを、
練習で軽減するノウハウを書いています。

著者は緩和医療(ホスピス)医。
千人を超える末期患者の見送った際、患者が
「生前、もっとこうしておけばよかった」
ということのトップ25項目を集めたものです。

後悔することはパターン化しているので、
それを元気なうちに知り、
日々の生活の中で準備しておけば、いざ他界する際にも後悔は少ない
だろうから、という理由からです。
実際、「当分生きているだろう」という前提だと、
日常の些細なことにも一喜一憂しますが、
間もなく死が訪れるという視点で人生を見ると、
今一番何が大切なのかが見えてきます。
4)企業においても、メンタルヘルスの健康管理は義務となった
さらには、特定健康診断(いわゆるメタボ健診)
に引き続いて、2015年12月からは、
従業員50人以上の企業の社員に対して
ストレスチェックが義務化されることが決定しました。

すなわち「自分は健康だし、自分の会社は
病人を出していないから大丈夫」ではなく、

管理者側としても従業員のメンタルヘルスに
目配りするのはもはや常識、
かつ義務になってきています。

つまり、

「うつ病になる人は心が弱いのだ」
「人生、気合いだ。死ぬ気になれば、何でもできる」

といった精神論、根性論では
社会的に通じなくなっているのです。

ではこのような状況下で
どのようにすれば自分のメンタルを
改善できるのでしょうか?

次回からはその点を、まずは
メンタルの改善を阻んでいる
いくつかの誤解から
お伝えしていきます。



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幸福度は環境条件ではなく、自分の内面が決める


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

前回の記事で

日本は世界101か国のうち、
 幸福度が43位と低く

自殺率は13位と非常に高い

・日本での年間の自殺者数は
交通事故死者数の7倍近くもある

・これは経済状態がもっと悪い他の
いくつかの国よりも状況が悪い

ことをご説明し、その要因として
4つのものが考えられることを
お伝えしました。


1
)モノやお金、社会的地位など
 外部要因では幸福になれなくなってきた

戦時中や戦争直後は、戦闘や怪我、
感染症、栄養失調などで
多くの人が亡くなりましたが、
自殺者は少なかったのです。

その理由は、生きながらえるので精一杯で、
今夜のご飯が手に入ればそれだけで幸せ、

雨風しのげる屋根や最低限の靴や服が
身にまとえれば幸せ、というレベルで
幸福感を感じることができていたからです。

また戦後の高度成長期には、
「所得倍増計画」政策に代表されるように
「がんばればそれだけ収入が上がり、出世する」

という因果関係がはっきりしていたため、
行動するモチベーションがいくらでも
湧き上がってきました。

そして人々は白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫
といった家電版「三種の神器」、次いで
自家用車」、その後は「マイホーム」と、

次々と幸せの象徴を手に入れることで、
実際に幸福感を感じることができました。

しかしその後は次第に物質的には恵まれ、
モノを手に入れたからといって
幸せは感じにくくなっていきました。

昭和末から平成冒頭にかけてのバブル期では
誰でも株や土地を買ってにわか金持ちになる
というバブルに入りましたが、数年で崩壊。

その後日本は20年にわたる
デフレで経済が停滞しました。

外部に幸せを求めていた
私たちのメンタリティーでは、
幸せを感じることが困難な
時代になっているのです。


2
)地域コミュニティでのつながりや、
基盤となる強い価値観が失われた

以前は村や町レベルで、家族を越えた
地域のつながりがありました。

それは時に排他的だったり、
長年の風習を固守しようとするあまり
硬直した時代遅れの価値観に支配されていて、
構成員にとって不自由な部分もありましたが、

一方で、その規範に沿っている限り、
周りの人たちに相談したり、アドバイスを
受けたり、助けてもられたりしたものです。

しかし戦後は政治体制も経済システムも変わり、
人口の都市集中化・核家族化で各家庭が孤立し
また核家族の中で育った子は

自分が親になったときにわが子にどう関わって
良いのかがわからず、育児のあり方も
バラバラになり、親自身の
不安も非常に高まりました。

地域のつながりの希薄な中、
家族以外の他人との付き合い方に
困難を覚える人が増え、それが大量の不登校・
出社拒否の人々を生み出すようになっています。

自分の規範となる枠組みは、
従来は宗教や道徳が担っていましたが、
周囲の大人たちによる道徳・
倫理教育が行われなくなり、

かといって
他の大部分の国々のように
「前提としてこの教えを信じる」
という国民的宗教もありません。

学校でも教師は勉強は教えられても、
人生の意味とか生まれてきた目的などは
教えることができません。

その結果、精神状態が悪化したときも、
各自が我流、試行錯誤で改善法を
探るしかないのですが、残念ながら
不成功に終わる場合がとても多いのです。

次回は、残り2つの項目について
ご説明します。


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なぜ、メンタルを自分で改善するスキルを学ぶ必要があるのか?


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

あなたは現在、毎日の生活で、
どのくらい「幸せだ」と
感じておられるでしょうか?
2013年発表の国連の調査によると、
日本人の幸福度は世界101か国中43位。

1位はデンマーク、10位がオーストラリア、
米国17位、イギリス22位、
フランス25位、ドイツ26位ですから、

特に先進国中で、日本の幸福度は

非常に低いことが判明しました。

ちなみに上位10か国は、以下です。
1.デンマーク
2.ノルウェー
3.スイス
4.オランダ
5.スウェーデン
6.カナダ
7.フィンランド
8.オーストリア
9.アイスランド
10.オーストラリア
目を引いたのが、財政破たんの高リスク国の
グループ「PIGS(ポルトガル、イタリア、
ギリシャ、スペイン)」の4国のうち、
スペインが38位と日本よりも高位で、
イタリアでさえ45位と、
日本とほとんど変わらないことです。
また、2015年現在の急激な石油安で
今後の破たんも心配されている
ベネズエラも20位と良好で、
少なくとも経済状況と幸福度が
直結していないことは、
誰の目にも明らかでしょう。
逆に自殺率では、日本は13位ととても高い
(ちなみに米国は34位)。
実際、我が国での年間自殺者数は
1998~2011年まで3万人を超え、
その後は少し減ったものの、
依然2万7千人台で高止まりしています。

交通事故死者数は年間4400人程度ですから、
その何倍もの人が自らの命を絶っているのです。

では、なぜこんなに精神状態が
悪化しやすくなってしまったのでしょう。
その要因は、以下の4つの面から
考えることができます。

1)モノやお金、社会的地位など
外部要因では幸福になれなくなってきた
2)地域コミュニティでのつながりや、
基盤となる強い価値観が失われた
3)人生の意味を考える需要が増えている
4)企業においても、メンタルヘルスの
健康管理は義務となった
次回から、順番に見ていきましょう。

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「ここにいること」の実施法


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

前回は、ストレスを減らし
心身の健康状態を改善するには
「ここにいること」、すなわち
目の前のことに意識を集中すること

の大切さと、それを身につけるには
(語学やスポーツを学ぶのと全く同様に)
毎日の基礎練習を繰り返すのが
必須であることをお伝えしました。

今回は、そのためにはどうすれば良いか、
より具体的な例を挙げて説明したいと思います。

例えば毎日の食事のとき、
あなたは食事そのものに
集中しているでしょうか?

ほとんどの人が

・テレビを見ながら・・・

・スマホでメールをチェックしたり
ネットで何かを見ながら・・・

あるいは

・過去や未来のことを何となく
考えながら・・・

食べている、
という状態なのでは
ないでしょうか。

その結果、例えば
コーヒーを飲み終えたのに
覚えておらず、また飲もうとして

「あれ?もうなくなっていたか」

と気づいたりします。

つまり、食事に対して
「心ここにあらず」
「上の空」
の状態なのです。

食事のとき、今自分が食べるものを
しっかり「体験」しましょう。

まず、料理の色や形などを観察。
口に運んだ際の匂いや食感、
味、温度なども味わいます。

飲み込む際には、その感覚も
自覚するようにします。

ちゃんと味わって食べようとすると、
「ながら食い」は無理だとわかります。

すると余計なことを考えず
目の前に集中するので、

さっきまで気にかかって

心を重くしていたことを
しばらく忘れることができます。

その間、コルチゾール分泌が減り、
あなたは自分の健康に
貢献したのです。

※前回の記事でも書きましたが、
「心配すること」で改善策は見つかりません。
逆に心身からエネルギーを奪い、不調にするので

「心配すること」は避けるべき
「心の生活習慣」であり、
そのための練習を日々続けることが
非常に重要です。


あるいは電車に乗る時

スマホからいったん手を離し、
あなたが立っているホームの床に
足が着いている感覚や

顔に当たる風の温度や強さ、
周りの人たちの話し声や
放送の音声に耳を傾けてみます。

電車に乗ったら、窓から見える
風景に集中したり、
電車から伝わる独特の振動を
改めて感じてみます。

そうすることで、
それまで常に頭の中に繰り返し流れていた、
ストレスフルな思考を
静めることができるのです。

いかがだったでしょうか?

「ここにいること」について初めて
お読みになった場合は、何か
難しそうに感じられるかもしれません。

しかし、そんなことはありません。
新しい考え方は、心のスキルであり
心の生活習慣ですが、

「生活習慣」である以上、
より良い新しい習慣に置き換え
それを毎日実行していくうちに上書きされ、

新しい生活習慣が
第2の天性になります。

ただ、これは新たなスキルなので
語学やスポーツと同様、
1度や2度の実施でマスターできるような
ものではありません。

「習慣を変えるぞ」という意思
毎日の繰り返しの練習が必要になります。

逆にいえば、最初はおぼつかなくても
練習すれば誰でも確実に
身につけられます。

それには特別な才能も、資格も、
道具も、お金も不要です。
いつでもどこでも、
身一つで実行可能なのです。

うつ病の治療に有効性が証明されている
心理療法の1つに「認知療法(CT)」
というものがあります。

これは

「ストレスの大きさは、
起きた物事そのものではなく、
それを自分がどう受け止めるかに
かかっている」

というのが基本コンセプトになります。

したがってCTによる対処法とは、
よりストレスが減るような考え方を
学び、それを身につけることになります。

ところで、CTに「マインドフルネス」
というものを組み合わせた

「マインドフルネス認知療法(MBCT)」

というものが1990年代に開発され、
多くのうつ病患者さんの治療に
試みられてきました。

※「マインドフルネス」というのは、
「ここにいること」と同じです。※

その結果、CTに比べてMBCTは
うつ病再発予防効果が2倍高い
ことがわかったのです。

つまり、「今ここにいること」に意識を
集中することを身につけられると、
うつになりにくくなり
なってもより早く回復できるのです。

あなたもぜひ、これを練習してみてくださいね。

以下は、マインドフルネス認知療法の
自習本です。(瞑想用の誘導CDつき)


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「ここにいること」がなぜ幸福度を上げるのか?


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

前回までの音声配信

「幸福度を上げるための3つのポイントとは?」

「幸福度を上げるために、なぜ
『感謝すること』が重要か」

では、幸福度の高い人たちに
共通する心理特性として

①人との交わりを持つ
②親切心を持ち、感謝すること
③ここにいること

を挙げ、このうち①番と、②番のうち

「親切心、そして感謝すること」について
お話ししました。

今回は③番の「ここにいること」について
ご説明します。

「ここにいる」とは?

「ここにいること」とは、
今の目の前のことに本当の意味で
意識を集中していることです。

私たちはともすると

・過去の回想
・未来への思考

にほとんどの時間を費やしています。

そして、過去の回想は単に思い出すというよりも

「何であんなことをしたんだろう」(後悔)
「あんな仕打ちを私にした、
あの人が許せない!」(怒り)

その他、罪悪感や無力感など、
ネガティブな感情を伴った回想がほとんどです。

未来への思いも、

「来週のプレゼン、上手くいくかなあ。
またクライアントに批判されたらどうしよう」

「今の職場の人たちと、今後もやっていけるのか」

など、不安や怖れ、心配に彩られたものが
ほとんどでしょう。

しかし、過去や未来を考え続けた結果、
素晴らしい解決策が出てきて、現実が改善できた
ということは、どのくらいあったでしょうか?

おそらくほとんどなく、それどころか、
ネガティブなことを考え続けたことで
心身のエネルギーが消耗し、

考え始める前以上に気分が落ちたり
身体が動かなくなりがち
だったのではないでしょうか。

つまり、「今ここ」を離れて
過去や未来に思いをはせるのは
非生産的なクセであり、
「心の生活習慣」なのです。

このように思考してしまう理由の一つは、遠い昔、
私たちが野生で暮らしていた頃の名残です。

その頃は、肉食動物に襲われたり
崖や木の上から転落して大けがしたり
乏しい食べ物で飢え死にしたり
が日常的にありました。

そこで生き延びるためには
例えば肉食獣に出会ったら戦う、
あるいは全力で走って逃げる

ことが必要で、そのためには
のんびり生活を楽しむよりも

少しでも危険の気配があったらそれに
意識を向けて気づき、
難を逃れることが最重要でした。

だから現代の私たちも祖先のこの
気質を遺伝子レベルで受け継ぎ、

良いこと、悪いことが同等に起こっても
まず悪いことにフォーカスする
という習慣が身についています。

昔は、それがとても
合理的な対処法でした。

当時は確かに、命を脅かす脅威が
日常的にありました。
その代わり、長くは続きませんでした。

目の前の肉食獣から逃れたら、
しばらくは安泰。

せっせと食事をし、子育てをし、
身体を休めて眠る。

その際、「明日またオオカミが来たらどうしよう」
などとは、おそらく思い悩まなかったでしょう。

ともかく日常生活が過酷で、今日の飢えを
しのぎ、身の安全を保つことで精一杯で
過去や未来について長々と考えるより前に
疲れ切って眠っていたことでしょう。

こういう状況では、非常時に
「火事場の馬鹿力」を出すストレスホルモン
(「コルチゾール」など、天然のステロイドホルモン)
が体内に多量に分泌され
「戦うか、逃げるか」の行動をサポートしてくれます。

そして逃げおおせたら、分泌が元通りに減ります。

しかし、現代は昔とは異なるストレスのあり方です。

現代では、直ちに命を
奪うようなものは減った代わり、
持続時間が非常に長くなりました。

・人間関係のストレス
・お金のストレス
・健康不安
・将来への心配

といったことはいずれも、短くても数週間から
数か月、多くは年単位で続くものです。

しかしこれに対しても身体は
ストレスホルモンを分泌して対処、
というパターンしか持ちません。

ストレスホルモンはステロイド、
つまり一種の劇薬なので、
長期間体内にあると、効果よりも
副作用の方が大きくなってしまいます。

例えば

・免疫力が低下して感染症にかかりやすくなる
・代謝に影響を与えて肥満や脂質異常症
(いわゆる高脂血症)に
・高血圧
・胃や十二指腸の潰瘍
・心筋梗塞
・アトピー
・糖尿病
・がん

といった病気になりやすくします。

そこで現代に必要な対処法とは、

「自分の意志でリラックスして、
コルチゾール分泌を減らす。
そのために有効な考え方を学び、身につける」

となります。

そのための具体的な方法の1つが
「ここにいること=今ここに意識を集中すること」
なのです。

では、「ここにいること」ができるようになるには
どうすれば良いのでしょうか?

それを、次回お伝えしますね。


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