栄養療法で気分が改善した後は、ここに要注意


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

前回の記事では

うつ病克服を邪魔する5つの誤解
の4つめ、

3)栄養への誤解:
   栄養とメンタルは無関係、
   せいぜい気休め程度

の前半をお伝えしました。

今回はその続きです。

統合失調症の2人の患者さんの例です。
(個人が特定できないよう
編集を加えていますが、
事例のエッセンスは保たれています)

<事例>30 代女性、統合失調症

30 代女性。

20 代のときに仕事を
がんばりすぎて徹夜が続くうちに、
次第に

「周りの人たちが私の悪口を言っている」
といった幻聴
「どこにいても誰かに見られている」
「自宅に盗聴器がしかけられている」

との被害妄想を持つようになり、
出勤できず自宅の窓にガムテープで
目張りをするなどの行動が
見られるようになりました。

実家暮らしたったため親が異常に気づき、
精神科に連れていくと、
統合失調症の診断にて投薬開始。

すると症状はある程度軽減したものの、
薬の副作用で倦怠感がひどく、
一日中自室で臥せっている
状態になってしまいました。

この方は
「親に迷惑をかけたくない」
との一心から、

小康状態の日に
一人で栄養療法クリニックを初診。

血液検査から、特に不足の強かった
タンパク質・鉄・ビタミン B 群
とナイアシンの治療用
サプリメントを処方しました。

特にナイアシンは大目に出したところ、
数日後から強い不安感、絶望感が
やわらぎ、落ち着いて考えることが
できるようになり始めました。

この時の体験を彼女は後に、
以下のように述懐しています。

「ナイアシンをのむようになったら、
それまで真っ暗だった頭の中に
豆電球が灯ったようだった。
周りがまた『見える』ようになった」。

その後は、 1 種類の薬を
就寝時に半錠から 1 錠のむだけで
ほぼ安定して過ごせるようになり、

短時間のアルバイトから
徐々に仕事に就くことが
できるようになっていきました。

なお、薬物療法の項でも述べましたが、
症状が治まっても、
その良い状態を維持し、
生活レベルを向上するためには、

自分で自分を訓練する
意志が重要なのは、
栄養療法においても同様です。

 
<事例>症状が治っても、社会的・心理的訓練は必須

以前私がクリニック外来で担当した
40 代の男性は統合失調症の方で、

20 代に発症し、およそ 15年間
自宅で家族以外とは
ほとんど接してきませんでした。

栄養療法で幻聴や妄想といった
症状は治まりましたが、

社会人としてやっていくには、
まずは他人の集団の中に入り、
いろいろな人たちとのやりとりを
通じて人間関係を築き、

調整していく能力を
磨いていかねばなりません。

通常は 10-20 代の
多感な時期を学校や会社で過ごして、
時には誤解を受けたり、喧嘩したり、
和解したりする中で、

人との接し方や自分の精神状態の
なだめ方を学んでいくものですが、

この方はその期間をほとんど
そういった社会訓練に使えなかったため、
40 代になってから学んでいかねばなりません。

これはなかなかハードルの高い、
不安をもたらす経験ですが、
やるしかありません。

この方もわずか週 1 回、
1 日 2時間のデイケア

(同病の患者さんたちのための
サポート活動で、保健所や
メンタルクリニックなどが開催)

でさえ、最初は
なかなか続けられず、
脱落しがちでした。

本人およびご家族にも伝えましたが、
何度失敗しても良いので、

あきらめずにそうした
他人のいる場に参加する練習を
し続けることが肝要となります。

そして上手くいかなかった場合は
その理由は何か、
次回同様な場面になったら

どのように発言したり
行動すれば良いのかを、
個別にカウンセラーに何度も
アドバイスしてもらう必要があります。

やはり最終的には、自分で
自分の心をマネジメントするスキルを
学んで身につけていくことが重要なのです


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精神安定剤としての栄養――その効果とは


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

前回のこのシリーズの記事では
「うつへの運動療法」
についてお伝えしましたが、

今回は
「うつ病克服を邪魔する5つの誤解」
の4つめ、

3)栄養への誤解:
   栄養とメンタルは無関係、
   せいぜい気休め程度

についてお話しします。

「ファーストフードやお菓子ばかり
食べている子はキレやすい」

「健康な心身を作るには
バランスの取れた食事が重要」

こうした話はよく聞きますし、
普通に考えても正論ですね。
ただし「バランスの取れた食事」とは
具体的にどのようなものなのか

野菜ジュースや果物、
スポーツドリンクや栄養ドリンク、
和食や玄米菜食といった、一見
「健康的な」食物が果たして本当に良いのか、

逆に
「肉を食べるとがんになる」
「卵を食べるとコレステロールが上がる」
「断食でデトックスすれば健康になる」

といったことは本当なのか?
一つずつじっくり検証する必要があります。

そして人には個性もあるので、
「自分の場合はどうか?」という
視点も必須です。

世の中には様々な健康法、
食事法が提唱されていますが、

本書でお勧めしているのは
「オーソモレキュラー(分子整合)栄養療法」
といわれるもので、

これはカナダの精神科医
エイブラム・ホッファーが、
ノーベル賞受賞の化学者ライナス・
ポーリングと共に開発した方法です。

注目すべきはこの栄養療法が、単に
「健康を維持する、病気を予防する」
レベルを超えて、

統合失調症やうつ病など、
本格的な精神疾患治療用に開発され、
効果を確認されているものだという点です。

そして開発されてからもう、
半世紀近く経っており、日本に
導入されてからも四半世紀以上経ちます。

ただ、「標準医療」ではないので
保険は適応されませんし、
医師の95%以上はまだ
この栄養療法自体を知りません。

医学部の教育課程の中では、
栄養学はほとんど習いませんので、

医師は「栄養程度で
病気が治れば苦労しないよ」
という認識でいます。

かつての私自身もそうだったので、
その気持ちはよくわかります。

しかし実際には、例えば

ビタミンB群が十分にあると
意欲や集中力が高く、
不足するとそれらが低下するだけでなく、
不眠になったり、悪夢を見やすくなる

鉄不足うつ気分や不安焦燥感が出てくる

ナイアシン欠乏で幻聴や妄想が出てくる

といったことがわかっています。

 

<事例>30歳女性 マタニティ・ブルー

Aさんはこれまで特に大きな
不調もなく過ごしてきました。

結婚し初めて妊娠した際、
母親教室に行ったところ

「お母さんがあまりタンパク質を食べると
子供にアレルギーが起きやすくなる」

と教えられ、意識的に
肉・卵・魚を控えるように。

すると1か月経つ頃から
肌がカサカサし始め、
かゆみを覚えるようになり

3-4か月後には次第に意欲が低下、
うつ気分も初めて感じるようになってしまい、

うつを良くしたいが
薬はのむわけにはいかないということで、
栄養療法クリニックを初診されました。

血液検査にて

・重度のタンパク質不足
・鉄や亜鉛などのミネラル不足
・ビタミンB群不足

などが見られたため、
治療用サプリメントの処方を
受けるとともに
食生活指導を受けました。

その内容は、
「卵はほぼ毎日1-2個食べて良い、
肉や魚もしっかりしたサイズのものを
毎食主菜として食べること、

間食も糖質(パン、おにぎり、お菓子など)
ではなく、ゆで卵やチーズなど
タンパク質ものを摂ること」

もちろん野菜も十分摂ることが前提です。

この食生活に変更して数週間後から、
心身の不調は軽減し、
出産やその後の育児も順調に
行なうことができました。

母親の栄養状態が赤ちゃんの一生を左右する

妊娠中に母親が極端なダイエットをすると、
産まれてきた子が将来
糖尿病になるリスクが高い
ことがわかってきましたが、

その他にも、

母親の食事が不十分で
亜鉛や鉄不足があると、
生まれてきた子が新生児アトピーに
なりやすいことがわかっています。

逆に、十分な栄養の元で
育った胎児は生まれた直後から
一晩6時間程度しっかり
眠れるので夜泣きが減る

不安が少なく機嫌が良い、
知能の発達が良い、
といったことが、

この栄養療法を受けた
患者さんたちで確認されています。

また高齢期においても、
栄養は人生の質を左右する重要な条件です。

高齢期でも栄養状態が重要なわけ

認知症とは一種の生活習慣病であり、

脳を含む体内に「サビ」(生命活動
での代謝中に生じる酸化物)が
溜まることによる現象だ、

ということが最近の研究で
ますます明らかになってきています。

ビタミンCやE、DHAなどは
「サビ止め」作用があるので、
認知症のリスクを減らします。

さらには、睡眠が慢性的に
不足している人は認知症リスクが
高まることがわかっていますが、

上述のようにビタミンB群で
睡眠の質が上がるので、
その意味でも
認知症予防効果があるのです。

次回の記事では、
統合失調症に
劇的に栄養療法が効いた
事例についてお伝えします。


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うつを運動で治す方法とは?


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

前回のこのシリーズの記事では
「心理カウンセリングを有効にするために
必要ないくつかのコツ」
をお伝えしましたが、

今回は
「うつ病克服を邪魔する5つの誤解」
の3つめ、

3)身体症状への誤解:
   身体の症状と心の症状は別問題だ

についてお話しします。

例えば、

・ストレスで「胃に穴が開く」、
すなわち胃潰瘍になる

・いうことを聞かない部下への
ストレスで血圧が上がる

・緊張や不安が続くと
ぜんそく発作やアトピーが悪化する

といった事象はよく見聞したり、
ご自身も経験があるかもしれません。

上記は心→身体 への影響ですが、逆に

・空腹や睡眠不足時には、
ささいなことでイライラする

・頭痛や発熱時には
単純な考え事もままならない

・モヤモヤした気分だったのが、
しばらくジョギングして身体が温まったら
気持ちも楽天的になった

といった、身体→心 への作用も、
日常的に体験されていることでしょう。

このように、人の心身は
一つにつながっています。

ですから、メンタルな症状を
改善するのにも、
身体からアプローチすることは
非常に有効なのです。

ただ、まだまだうつ病の治療手段と
しての知名度は低い段階です。

その理由は、まだ学会が認めて
日が浅かったり、あまり広く
啓発活動をしていないからです。

日本を含む、世界各国の治療方針として
参照されるアメリカうつ病学会の
治療ガイドラインでも、2010年から
ようやく記載されるようになりました。

日本でも今後徐々に運動療法が
注目されていくでしょうが、
日本うつ病学会の、現時点での
最新版の治療ガイドラインでは、

運動療法は軽症例に対して選択可能な
「その他の療法」の1つとして
少し触れられているだけで、

これを読んだ精神科医が
「運動療法をぜひ患者さんに
勧めてみよう」
と考えるとは、とても思えません。

そしてほぼ全てといって良いくらい、
薬物療法について紙面が費やされていますが、

学会の財源の大きな部分を
製薬会社が提供しているということを
考えれば、それももっともでしょう。

運動以前の、散歩や家事レベルの活動でさえ
「うつ病になったら十分に休養をし、
回復してきて、気力が出てきたら
少しずつ散歩や家事などから活動を始めよ」

という方針が現在も引き継がれています。

しかし運動療法の考え方は

「最も重症の、寝たきりに
なるほどの症例の最初の数週間を除き、
少しでも身体が動くようになったら
積極的に外出や運動をせよ

という指導方針です。

そしてその具体的な運動内容は
「週2~3回、1回30分以上の有酸素運動」です。

「有酸素運動」とは呼吸を止めないで
行なう運動なので、速足歩き、ジョギング、
「スローステップ運動」

(リンクを貼ったこのサイトでは
ダイエットに主眼を置いて
紹介していますが、やり方は一緒ですし、

類似ページの中で最もわかり
やすかったので採用しました)、
ダンス、その他一般的な
スポーツ全般と考えて良いでしょう。

もちろん無理な負荷は不要ですが、
慣れてきたら、心拍数が明らかに
上がるくらいの強度が理想的です。

このときのポイントは
「必ずしも意欲はその時点では不十分でもOK
という点です。

気が進まなくても身体を動かしていると、
そのうちに

全身の血液循環が良くなる
→脳の血の巡りも良くなる
→脳細胞への酸素供給量が増える
気分が上がり、意欲が出る

という流れになるからです。

また、今後は上記の運動以外のもの――

まだあまり運動する体力気力がなくても始められ、
それでいて気分改善効果の高いいくつかの方法を
ご紹介していこうと思います。


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アロマで認知症、糖尿病予防


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

シリーズ記事「うつ病克服を邪魔する
5つの誤解」の途中ですが、
興味深い情報を得ましたので
シェアしますね。

昨年末行われた、第18回
日本統合医療学会にて
大阪大学大学院生体機能補完医学講座
准教授の前田和久氏は、

マカデミアナッツをキャリア(希釈用)
オイルに使い、
精油(エッセンシャルオイル)としては
ペパーミントを使うことで、

血糖値の上昇を有意に防ぐ効果が
あることを確認しました。

具体的な手法(※1)は、この記事の末尾に
転載します(出典:「メディカル・
トリビューン」2015年1月22日号)。

エッセンスをかいつまんでご説明すると

<実験1>

・糖負荷試験(ブドウ糖が75g
含まれる実験用ジュース)を飲み、
30分ごとに120分後までを測定)
を行ないながら、

・健康人14例に対し

・マカデミアナッツオイルで
マッサージした。

・(比較のために使用した)ココナッツ
オイル使用者では変化がなかったが、
マカデミアナッツオイル使用者では
糖負荷後の高血糖の時間が短縮した

つまり、インスリン作用が改善した。

・マッサージありとなしで比較したら
マッサージした時のみ、効果が見られた

<実験2>

・重度肥満者2例に対し、
胃の部分切除をし、
術後のたるんだ皮膚部分に

ペパーミント精油(エッセンシャルオイル、
以下EO)を0.5%の濃度でマカデミア
ナッツオイルに混ぜて腹部をマッサージ。
これを3か月間施行。

・ペパーミント+マッサージをしない
場合に比べて約3倍の
 アディポネクチン(※1)が分泌された。

これらの効果が見られた理由として

マカデミアナッツオイル
多量に含まれるパルミトレイン酸
(血糖値を下げるために必要なホルモン
である)インスリン作用不全の改善に有効

ペパーミントEOに含まれる成分が皮膚から
 吸収され、アディポネクチン遺伝子
の発現を増加させ、アディポネクチン
 分泌が促進された可能性

を伝えていました。

ちなみに、この実験ではEOの濃度は
わずか0.5%。

日本で一般的な、イギリス式の
アロママッサージでも1~2%なので
EO自体の薬理作用は残念ながら
とても間接的になりがちです

(まあ、そのぶん、あまり知識のない人が
使っても、フランス式よりは
副作用が出にくいという
メリットはありますが)。

エッセンシャルオイル(イメージ)

フランス式では原液を塗ったり、
内服したりもするのですが
現在出回っているEOでこの基準を満たす
製品はほとんどありません。

ただ、その基準を満たす
某社のEOの場合、例えば

・コリアンダー
・シナモン
・クローブ
・レモングラス

などは血糖値安定をはじめ、
抗酸化作用があるので
他のいわゆる生活習慣病全般に有効です。

更に、フランス医療品質のEOなら
濃度そのものも上げられるので

ペパーミントEOなども、もっとずっと
高濃度で使用可能です。

私自身も、某社のEOと出会ってから
アロマへの認識と実際の使用法が
全く変わりました。

現在では、我が家の救急箱には
いわゆる標準医薬品はほとんど
入っておらず、
もっぱらEOのお世話になっています。

最近では認知症(特にアルツハイマー病)
が「脳の糖尿病」ともいわれ

持続的な高血糖が身体中を
酸化させる(つまり、サビさせる)
ことが発症の大きな要因になっている
ことがわかってきました。

ですから
高血糖を回避するのは
糖尿病や肥満の人だけでなく、
現代を生きる私たち全ての課題なのです。

※1 アディポネクチン

高血糖の低下、脂肪蓄積抑制、高血圧低下
からがん予防まで、生活習慣病予防に
全般に非常に有効な、ある種のホルモン。

残念ながら、加齢や肥満で
大幅に減ってしまいます。

以下のサイトでは、この情報を
わかりやすくまとめています。
「アディポネクチンとは」

※2 なお、実験で使われたEOの
メーカー名は不明です。

記事の中で私が書いた他のEOに関しての
作用は、フランスの医療基準をクリアした
ヤングリビング社のものであり、
私が知る限り、ここまでの高品質を
保っているのは同社だけです。

ですので、同じEO名であっても
他社の製品では同様の作用は
期待できないと考えてください。

それどころか、炎症やアレルギーなど
有害作用を発生する可能性が
ありますので、

絶対に他社のEOでは
原液使用や高濃度使用、内服等は
避けてください。

(上記の実験のように、
0.5~1%程度の濃度で
マッサージで使ってください。)

 


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心理カウンセリングで効果を上げるために、あなたに必要なものとは?


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

前回の記事では、心理カウンセリングの
効果の有無を左右する2つの要因のうち、
カウンセラー側のことをお話しました。

今回はもう1つの要因、クライアント側、
すなわち相談する当事者=あなた
側の要因についてご説明します。

②クライアント側の要因

ポイントは以下の2つです。

a.「治してもらう」のではない

b.自分の中の原因を認め、
 自分で改善する行動力が必要

ともすると

「腕が良く、自分と気の合う
カウンセラーに出会えれば、

一人では思いもよらなかった
素晴らしいアドバイスを
受けることができ、それに従えば
たちまち悩みが解消する」

といった幻想を抱いてしまいがちです。

しかし実際には、カウンセラーとの
関係も、一つの人間関係です。

人間関係である以上、自分が
他の人との間に作ってしまう
好ましくないあり方を、つい

カウンセラーとの間でもまた作ってしまい、
カウンセリングの場が上手くいかなくなる
要因になることは珍しくありません。

例えば
「いつも他人に便利に使われてしまう」
パターンがある人の場合、

他人に対して正当な主張ができなかったり、
人の親切を素直に受け止められず
「皮肉だろうか?」
「何か後で不利な目に遭うのでは?」

などと勘ぐってしまい、
相手が善意で言動してくれているのに
それを受け取れない場合があります。

こういう人はカウンセリングの場でも、
カウンセラーの自分への理解や助言が
的外れだなと感じても自然な形で
修正を求められず、

間接的に不機嫌な態度をもって
知らせようとしたり、
カウンセリングの場からドロップアウトし、

「やっぱりカウンセリングなんて
(あるいは、あのカウンセラーも)ダメだった」

と結論づけてしまいます。

しかしいくら腕の良いプロであっても、
カウンセラーも人間。

相手を理解しそこねたり、的外れな
助言をしてしまうこともあります。

そこで

「それは違います」
「今いわれたことで、こういう気持ちに
なったので、気をつけてほしい」

などとクライアントに言ってもらうことで
カウンセラーも「ああ、そうなのか」と
気づけるので、
その後2人の関係はより深まります。

本当に仲の良い夫婦や親友は
喧嘩を建設的に繰り返しながら
お互いにとってかけがえのない
ものになっていきますが、

カウンセリングにおける人間関係も、
そのようにして両者の共同作業で
作り上げていくものなのです。

また、カウンセラーによっては、
面談の間に行なう宿題を出す場合もあります。

例えば認知行動療法においては、
ネガティブな思考が浮かんできた時に
何をしていたか、その時の思考内容、

それをどのように修正可能か、
その結果気分はどう変わったか、
などを記録するよう指示されるでしょうし、

対人関係療法なら、特定の身近な人
(家族など)に対して、それまでとは
違ったものの言い方を
練習するよういわれるでしょう。

より早く確実に自分を改善したいなら、
そうした課題に積極的に
取り組むことが必要条件です。

すなわち、「症状をきたした原因の、
少なくとも一部は自分にある」ことを
受け入れ、

自分を変えることで症状を
克服する(手なずける)のだ、という
意志が必要となるのです。

ちなみに私自身も医学生時代から10年間、
ほぼ毎週心理カウンセリングを
受けに通っていましたが、

そのカウンセラーに落ち着くまでには
3人のカウンセラーにかかりました
(ただし帰省時に面談したなど、最初から
1回で終わることがわかっていた人も含む)。

ですから、自分に相性が合うカウンセラーに
出会うまで数人試してみるのは悪くない
思いますが、

上記の2点の誤解を
自分がクリアしているかを確認
することは忘れないでください。

次回は、うつ病克服を邪魔する
5つの誤解の3番め、
「身体症状への誤解」
についてお伝えします。


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心理カウンセリングの効果は、受け方次第


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

前回の記事では「うつ病克服を邪魔する5つの誤解」
のうち、1つめとして「精神科薬への誤解」について
解説しました。

今回は誤解の2つ目、心理カウンセリング
についてご説明します。

2)心理カウンセリングへの誤解:
心理カウンセラーが解決策を教えてくれる

心理カウンセリングにおいては、
カウンセラー側の要因と、
クライアント側の要因の両者があります。

①カウンセラー側の要因

日本では、心理カウンセリングの中でも
カール・ロジャースという先生が提示した
「来談者中心療法」が、
長く主流になってきました。

現在はかつてよりも他の手法
認知行動療法、対人関係療法など)を
取り入れる人が増えてきたものの、

心理カウンセリングを学ぶとなれば
現在でもまずはロジャーズ派がベースとなります。

で、ロジャーズ派の中でもキーワード
となるのが「傾聴」「支持的」「共感」
ということになりますが、この意味を
誤解しているカウンセラーが結構多いのです。

どうもロジャーズ派の人は、
クライアントの話を「うんうんと共感して聴く」
のが一番と思っている人がまだ多く、

このためクライアント側からすると
「聞くばかりで、アドバイスをくれない」
という不満になり、カウンセリングを
ドロップアウトすることがよく見受けられます。

実際にはロジャーズ氏は、
じっくりクライアントの話を聞いて
理解したうえで、積極的に
助言を与えることもありました。

時にはわざと挑戦的な言い方をして、
クライアントの内面を揺さぶる
ことすらありました。

しかしそれも、ロジャーズが
相手の状態を把握し、クライアントの
気づきを促す作戦として
最も有効だと判断してのことです。

しかし未熟なロジャーズ派の
カウンセラーはそこまでできず、
ただ受け身にクライアントの話を聞くだけで
終わってしまう、ということが多々あります。

次回は、クライアント側の要因について
ご説明します。


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