うつ病を治すために必要な逆説的観点


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

「心の時代」などといわれるようになって、
はや20年あまり。

日本の自殺人数は2011年ごろまで毎年
3万人を超え、特に先進諸国では
目立って高いことが懸念されてきました。

さらに2011年には、厚生労働省は、
地域医療の基本方針となる医療計画に
盛り込むべき疾病として指定してきた
がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の4大疾病に、

新たに精神疾患を加えて「5大疾病」
とする方針を決めました。

それだけ、精神的健康へのサポート体制の
必要性が切実になってきているのです。

そして、精神的不調の
最も代表的症状がうつ状態です。

すなわち気分の落ち込み、それに伴う
不安や焦燥感、意欲低下・思考力低下、不眠、
それに倦怠感をはじめとする
さまざまな身体症状も含みます。

そして、うつ症状の背景には
必ずと言って良いほどの大きな割合で、
心理的な要因があります。

悲観的な物事の考え方、自分や他者、
世界に対する価値観が今のあなたの気分を決め、
それがうつが発症するかどうかを決めます。

ここで、うつ気分を感じ始めた時に
ほとんどの人がやってしまう、
間違った対処法があります。

それは「なぜ、今自分はこんな気持ちなのか?」
を分析し、その原因を突き止めて排除し、
うつ気分を治そうとすることです。

「え、その対処法のどこが間違っているの?」
と思われるかもしれません。
実際この対処法は、身の回りの多くの
実務的な問題解決には基本中の基本となる方法ですよね。

例えば製品開発でどこか上手くいかなければ
製造システム上の問題個所を見つけて改良する。

特定の科目の成績が上がらなければ、
自分の理解が不足している箇所を見つけて、
勉強法を改善・強化する・・・。

また、生き物としての人間の進化の
歴史から見ても、こうした取り組み方は本来、
とても目的にみあった合理的なものでした。

ご先祖様(人間っぽい姿をするはるか以前
からを含めて)にとって「危険」といえば、
例えば肉食動物に襲われるとか、岩が落ちてきて
足を折るとか、食べ物にありつけず飢えて死ぬ、などです。

そういう際には、対処法は、肉食獣の例でいうなら
「一刻も早く外敵に気づく→心身をめいっぱい
緊張させて相手と戦う、または全速力で逃げる」

ですね。

そして肉食獣から逃げおおせたら
リラックスして、安心して過ごせます。

この間、数秒から数時間、
長く追われるなどあってもせいぜい一晩程度。

(そこで逃げおおせなかったら捕食されて終わり
なので、長く悩むという選択肢自体が存在しません。

ですから脳は危機を察知した時には、
アドレナリンをはじめとする緊急対処ホルモンを
体内に怒涛のように分泌して血圧を上げ、
空腹感も忘れさせ、筋肉を緊張させ、

痛みも疲労も感じにくくさせて、たとえ
ちょっとやそっと怪我をしても(食べられて
しまうよりはマシなので)戦うなり逃げるなりを
するような体制に、身体の状態をもっていきます。

いわゆる「火事場のばか力」を発揮して、
命を長らえようとします。

そのおかげで確かに今日まで、
人類は生き延びて来れたのです。

しかし20世紀、更には21世紀になり、
ストレスの内容が過去とは大きく変わってきました。

少なくともいわゆる先進国においては、
すぐに命に関わる身体的危機は大幅に減った代わりに、
心理的なストレスが大部分になっています。

この心理的ストレスの特徴は、継続時間が長いことです。

例えば受験一つを取っても年単位。
また対人関係ストレスは、数日や数週間以内で
終わることの方が珍しく、
多くは数か月から年単位でしょう。

また仕事をはじめとする社会活動も、
単純労働のみでなく頭脳を持続的に
使う必要のあるものが増えています。

更には、目に見える形では
仕事や対人交流が一日の一部でも、実際には

「今日、あの人にこんなことをいわれた。
あれは私のあの発言に気を悪くしたからに違いない」
「来年度、契約継続できなかったらどうしよう。
このままでは家のローン支払いが・・・」

などと、実際には一日の大部分、
心の中がストレスに占拠されています。

そして、脳は相変わらず従来のやり方で
対処しようとしますから、このような
長引くストレスに対しても

「原因究明モード→アドレナリン分泌」をしてしまい、
本来劇薬であるアドレナリンなど
非常時ホルモンを何か月も何年間も
体内にめぐらせ続けてしまいます。

当然、効果よりも副作用の方が強まってしまい、
不眠や胃潰瘍、高血圧、糖尿病悪化、
その他の不調をきたしてしまいます。

それに、思い出していただきたいのですが、
「なぜ今私は落ち込んでいるのか?」
について過去を思い出して分析しても

「これが原因だ!だからこうすれば良い」
というクリアカットな理由と対処法など、
出てきたことがあるでしょうか?

考えたところで更にいろいろな嫌な
思い出が噴出し、対処法はまとまらない。

そして気分は「なぜ」を考え始める前よりも
もっと悪化していることの方が多いはずです。

つまりこの分野の問題解決法は、
昔の肉食獣対策や、現代の、例えば受験対策
(過去問を解いておけば今年の入試も受かる)
といったものとは、全く違った対処法が必要なのです。

それは「そのことについて考えない」ということ。

考えないことは、逃げではありません。
考えてしまうことが、より自分の
うつ状態を悪化させる「望ましくない行為」なので、

それを意識的に「止める」ことこそが
「合理的対処行動」であり、
そのためには毎日の練習が必要です。

ちょうど、何となく不安や不満がある人が
空腹でもないのにスナック菓子を
過食してしまうようなものです。

うつや不安が生じた時、その原因を分析して
排除したい、というのは生き物としての
人間に備わる本能的な、切実な感覚です。

しかしそれは上記のように、
現代では無効なだけでなく有害なので、
この「誘惑」へは理性をもって、
はっきりと拒否をしなくてはなりません。

このような新たな心の習慣を
身につけるのはもちろん、
容易なことではありません。

それは過食を止めたり、断酒や禁煙を
するのと同じように、それなりエネルギーと
決意を要するプロジェクトです。

しかしそれらと同じように、いったん身に
つければ、生涯の宝となる能力なのです。

ただし実は、「考えるのを止める」「考えない」
というのは、結構難しい課題です。

人間は毎日何万ものさまざまなことを、
ほとんど間を置かずに考え続けており、
もはや考えていることも自覚できていない人が多いです。

よく患者さんが「落ちこんだ」「不安になった」
という場合に「その時、何を考えていましたか?」
と問うと「いや、特に何も考えてませんでしが・・・」

といわれることが多いですが、
実際には、その当時(例えば、1週間前)のことを、
手帳やカレンダーなども使って細かく
思い出してもらうと

「ああ、あの日はテレビニュースで
○○のことを言っていて、それで以前、自分も
○○に行ったことがあるなあと思って・・・
そうしたら・・・」と、嫌な対人関係のことを
思い出すきっかけだったことに気づく、

といったことは、よく診療で経験します。
逆に、数分間以上本当に何も考えずに
過ごせるようになっているとしたらその人は、
かなり心の性質やその制御法について既に知っている人といえます。

そのくらい、自然には身につきづらい技術なのです。
でも決して高度で特殊な技術でもなく、
ひとたび「身につけよう」と決心すれば、
誰でも身につけられるものです。

ちょうど自転車の乗り方を学ぶようなものです。
一度も意識的に練習したことがなければ「自然に」は乗れませんが、
意識して何度か取り組めば、誰でも普通に乗れるようになります。

「考えない」練習も、これに似ています。
では、考えない練習とは、
どのようにすれば良いのでしょうか?

答えは、瞑想です。
しかし別に、禅寺にこもる必要もないですし、
座禅の特殊な座り方をする必要もありません。

普通に日常生活を送りながら、具体的には
例えば電車の中でも、レジの順番待ちをしながらでも、
会議に参加しながらでも、会社や学校に向かって
歩きながらでも、食事中にもできる方法です。

具体的なやり方の解説をしたお勧めの本を2冊、ご紹介します。

(1)『なまけ者の3分間瞑想法』
   デイヴィッド・ハープ著、創元社

全くの初心者が、身構えることなく、
日常生活の中に瞑想を取り入れるための
さまざまな手法を解説しています。

(2)『うつのためのマインドフルネス実践』
   マーク・ウィリアムス、ジョン・カバットジン他著、星和書店

うつ(うつ病・うつ状態)について
より詳しく知りたい人には、こちらもお勧めです。

前述したような「昔のストレス対処法」と
「現代のストレス対処法」の違い、
瞑想法のより細やかな方法の解説等がされており、

著書の中にある「ボディースキャン」
「マインドフルネスヨガ」などの、著者らによる
誘導(暗示)音声が収録されたCDつきです。

このマインドフルネス瞑想法によって
著者らはアメリカの大学病院にて
数千例以上の患者の症状を改善、
再発予防に成功しています。


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「自分でできる!逆転のうつ・不安克服法」メルマガ開始します


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

このたび、メルマガ
「自分でできる!逆転のうつ・不安克服法」
を創刊するこにしました。

特に2000年代に入ってから、
社会的にメンタル面が注目されることが
非常に増えてきましたね。

身体と同様、精神(こころ)の健康が
ようやく重要視されるようになったのは
素晴らしいことですが、

ともすれば
「早期発見、早期治療!」とばかり、
すぐに薬物治療につなげようとばかり
する動きには賛成できません。

本来の人間には、自分の不調を
ちゃんと感知し、きちんと癒す
能力があります。

ただ、ここ1世紀ばかりは
科学至上主義、物質主義で来たため
その能力が退化してしまった人が
多いのです。

なぜメンタルな不調が増えているのか、

どうすれば根本原因から改善していけるのか
当メルマガでは、あなたと一緒に考えていきます。

一例としてうつ病について
下記に述べますので、
メルマガ登録前に検討してみたい方はどうぞ。

また、無料PDF
「良い心療内科・精神科の選び方、かかり方」

そして先着特典として浜野の
Skype(スカイプ。インターネットを
使った無料電話)でのカウンセリング
を受けられますので、

ともかく、早く申し込みたいという方は
こちらからどうぞ。
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【うつ病とは】

うつ病とは、ごく大ざっぱにいうと
「2週間以上の期間、連続して、
以下の強い症状が続く」
という状態です。

・気分の落ち込み
・不安感、焦燥感、イライラ

・意欲、集中力、興味関心の喪失
・食欲低下(ストレス性過食もありうる)
・不眠(過眠もありうる)
・自殺願望

これらの症状のため、うつ病になると
仕事はもちろん、これまで普通にこなせていた
身の周りのことをするのも苦労するようになります。

一人でいるのは不安だし心細いのに、
他人といるのも異常に気疲れして
消耗してしまうので、
何をしていても安心できません。

そして食欲も落ち不眠が続くという、
生体維持に必要な最低限の力も
調整困難になってくるため
毎日が苦痛に満ちてきます。

このため、しばしば「死にたい」と
願うようになってしまいます。

【なぜ、うつや不安になるのか】

うつ病になる典型的な原因あるいはきっかけは、
人生上の大きなストレスといわれています。

その代表的なものが人生上の
大きなイベント、例えば

・家族との関係の変化(結婚、離婚、出産・育児)
・社会的立場の変化(就職、異動、転勤、退職、転職)
・引越し、海外留学
等々です。

こうしたストレスが脳内の神経伝達物質の
分泌量や割合のアンバランスを生じさせ、
これによりうつや不安、不眠、あるいは食欲低下
などが発生してしまうと考えられています。

またここ数十年の研究から、
脳内物質のみならず、副腎や甲状腺
といったホルモン産生臓器、
更には自律神経系にも悪影響を与えるため、

ホルモンの過不足症状や、
免疫細胞が上手く作れなくなることによる
免疫力低下も生じていることが明らかになってきました。

【現在の「標準的」なうつ病治療の問題点】

従来の、そして現在も「標準的」とされる治療法では、
精神症状(ここではうつ病を代表例としましょう)は
「自分を傷つける敵であり、
したがって排除すべきもの」

という位置づけです。
だからうつ病症状を感じたら
「早期発見・早期治療」とばかり、

すぐ受診して、抗うつ薬をのんで
うつ症状を消そう、とします。

仮に初発後、早期に精神科を初診して
薬が効いたとします。
それは幸いなことですが、
薬はあくまでも対症療法に過ぎません。

例えば歯痛がした時に、鎮痛剤をのめば
とりあえずは痛みが消えるでしょうが、

虫歯そのものの治療や、虫歯を新たに
作らないような食習慣・歯磨き習慣を
身につけない限り、近いうちに
必ず痛みは再発しますし、

虫歯を放置すれば進行し、ついには
痛み止めが効かなくなってしまいます。
うつ病も同じです。

「うつ病に陥りやすい物事の見方や
考え方が自分にはあること
を自覚し、それを減らす訓練メルマガ、
という「根本治療」をしない限り、

精神症状が再発しますし、
根本治療をしないでいると徐々に進行して、
薬では効かなくなっていきます。

【心の健康を根本的に改善する自己療法とは】

一方、「身体(からだ)・精神(こころ)・魂」全体の
バランスが取れている状態こそが本来の健康、とみる
「ホリスティック(全体論・統合論的)」な観点では、

精神症状も、心身のどこかのバランスが
崩れたことを知らせてくれる、
大事な「バロメーター」と考えます。

ですので、うつを排斥するのではなく、
それを直視し、うつの「言い分」を
よく聞いてあげる必要があるのです。

「え~、そんなことをしたら
なおさらうつに圧倒されてひどくなり、
立ち直れなくなるのでは?」

と、恐ろしく感じるかもしれませんね。

しかし、きちんとした手順を踏めば
うつに圧倒されることなく、
それどころかうつをこそ生涯の
良き助言者として活用できるようになるのです。

これは特別な知識やつらい修行といったことも
必要なく、
人間なら誰でも日々の生活の中での
ちょっとした練習で身につけられる技術です。

というか、大昔の人間たちの方が
本能的にそうした技術を毎日活用して
暮らしていたのですが、
現代社会ではあまりにも

・科学技術に頼り過ぎ
・膨大な知識で頭でっかち
・そのぶん、身体の感覚が退化している

といった理由により、持っていた能力が
一時的に退化しているだけです。
練習すれば、また発達しますので
大丈夫です。

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メルマガでは、上記のような
本来の健康を取り戻すための
考え方のコツや日々の練習法
などをお伝えしていきます。

とはいうものの、まずは現在の
ご自分がどんな段階にあるのか、

「受診」した方が良いのか、それとも他の
「代替療法(各種セラピー)」が良いのか、
はたまた、「自己療法」で対応可能な範疇なのか・・・?

また受診先や、良いカウンセラー/セラピストなどの
見分け方、選び方って?
という疑問もあることでしょう。

そこで、まずは今のあなたがいわゆる
「要医療」の段階なのか、
それともその前での対処が可能なのかを
ある程度判断するための目安となる情報を、

PDF文書
「良い心療内科/精神科の選び方、かかり方」

にまとめました。

この中の情報で、もしご自身が要医療とわかったら
医療の助けも必要最小限だけ借りて
まずは「底」の状態から脱するきっかけを作り、

その上でご自分の内面の改善法、
すなわち「より安心感と充実感を感じながら、
これまでよりも楽に、たのしく毎日を生きられる」
そんなスキル(技術)を習得していって
いただければと思います。

そしてこのメルマガでは、「標準医療」とされる
従来の医学(薬物療法中心)も全否定するのではなく、
必要最小限を上手に取り入れながら、
他のさまざまな代替療法も活用し

「身体(からだ)・精神(こころ)・魂」の
統合的健康を手に入れるコツをお伝えしていきます。

あなたが受け身ではなく、
「自分自身が主体となって
本当の健康を作り上げていくんだ」
という方ならば、お役に立つ内容となっております。
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精神科/心療内科の性質を知り、最大のメリットを引き出そう


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

それでは今回は、
精神科/心療内科の性質を知り、最大のメリットを引き出そう
というテーマで、お伝えしますね。

(1)科名について

メンタルな悩みを主訴に受診する場合、
精神科または心療内科となりますね。

この2つの科の違いとは何でしょうか?

まず「心療内科」ですが、本来この科が診る病状とは、

「内科疾患のうち、
心の悩みが身体症状の出現や、症状の程度に
大きな影響を与えている内科疾患」
です。

具体的には、以下のものとなります。

ここでは代表的なものだけいくつか挙げます。

・胃潰瘍、十二指腸潰瘍
・過敏性腸炎
・気管支ぜんそく
・起立性調節障害
・高血圧
・神経性食思不振症(いわゆる拒食症)
・片頭痛

つまり、症状をきたしている臓器自体には
これといって病気はないのに、
生活に差支えるような症状が続く場合、

その原因が心理的なものにあるとみて、
心理要因にもある程度対処しようというのが、
心療内科の本来の立ち位置です。

なので、統合失調症や重度のうつ病、
コントロール不良な不安発作など、ある程度
本格的な対処が必要になる場合は、精神科での
治療が必要になる場合が多いです。

このため、心療内科のみを標ぼうしている場合は、
その時点で「精神科に転院してください」
といわれる可能性があります。

また

・入院の必要性を含めての相談
や、
・入院生活ってどのようなものなのか

などは、精神保健指定医を持つ医師の方が
具体的にお答えできやすい場合が多いです。

なので、お問い合わせ時にはその点も確認して
みられるのも良いかもしれません。

それから、心療内科のみだと、以下のような
診断書類が書けない場合もありますので要注意です。

・精神障害者年金用診断書
・精神障害者保健福祉手帳用診断書
・自立支援用診断書

(精神障害者保健福祉手帳用診断書、
自立支援用診断書は、法的には
心療内科でも書けますが、やはり手間が
かかるので書かない方針にしている機関もあるようです)

(2)精神科とはこんな所

それでは、精神科/心療内科(文字数が多くなるので、
ここでは「精神科」で代表し一括します)を初めて
受診(初診)するとどのような経験を
されるのか、概要をご説明しましょう。

a)診療の流れ

医療機関の種類(外来のみの「クリニック」か、
入院施設もある「病院」か)や、
精神科のみか他の身体科もある所かで

若干手続きが異なる場合もありますが、
ほとんどの場合、以下の流れとなります。

まず初診用問診票に個人情報と、
来院の原因になった症状、それがいつからあるか、
これまでどのように対処してきたかなどを記入します。

次にその書類に基づき、受付事務スタッフ、
または看護師等があなたを呼んで数分~十数分
程度の簡単な聞き取りをするかもしれません。

医療機関によってはこの後直接担当医に
診察室に呼ばれたりしますが、

ある程度スタッフ数の多い機関ならば

その前にもう一段階あり、ここで別の
スタッフによる比較的詳しい問診が行なわれます。

このスタッフは研修医か、臨床心理士などの
心理カウンセラーあるいはPSW(ケースワーカー)
などが担当する場合が多いです。

ここでさらに、いつからどんな症状が
あったかなど、現在の病状(現病歴)にまつわる事項の他、

・既往歴

・どんな家族や人間関係の中で生まれ育ったか

・家族の病歴(身体疾患も含めて)

・学歴、学業成績、友人等との対人関係の様子

・飲酒、喫煙、薬物、その他の生活習慣や嗜好、

・その他

といったことが聴取されます。
もちろん、特段これといって伝えるような
ことがなければそのぶん、この時間も短めに終わります。

この比較的長い聞き取りの時間を
「予診」あるいは「インテーク」と呼ぶことがあります。

b)診療内容

さていよいよ、担当医に名前(機関によっては
名前を出さず番号制にしている所も)
を呼ばれ、診察室に入ります。

そこで先ほどまでの予診の情報に基づき、
医師による確認や補足の問診が行なわれます。

予診でそれなりに詳細に聴き取りましたので、
医師による診察は数分~十数分で済むことが多いです。

この中で医師は今回のあなたの病状として
最も考えられるもの、例えば「うつ病」に
ついての概要を説明するでしょう。

その中では

・どんな病気か
・治療はどうするか
・使う薬の説明(作用、副作用、
効いてくるまでの期間、飲み方の注意など)

・勤務や家事など、普段の活動をどうするか
(病状がある程度重い場合は、仕事を
休むための診断書が発行される場合があります)

・次回の診察日の候補日を決める

といったことを行ない、診察室を後にすることになります。

c)精神科で期待できること、期待しない方がよいこと

さて、「精神科を受診したが、やたら
待たされた割には、医師に大して話を
聞いてもられなかった」

という点に関しては

→前項の 「2)精神科/心療内科と
カウンセリングルームやヒーリングサロン、
整体などとどう違うのか?

その使い分け方は?」

をご参照ください。

d)診療時間と待ち時間について

c)とも関連しますが
「○時に来院するよういわれたのに、
1時間も待たされた」

という苦情をいただくことがあります。

もちろん担当医はできるだけ予約枠内の
患者さんをその時間内で診ようと努力しているのですが、

その日の患者さんの病状により、

予想よりも長く時間がかかってしまったり、緊急入院の
手続きをしてあげる必要が出るなどして、
大幅に予定時間を越えてしまう場合がありえます。

どうしても時間通りにしてもらわないと困る、という方は、
自費専門でやっているような医療機関を探して
かかっていただく必要があると思います。

「しかし保険の範囲内だって、ちゃんと時間内で
診察を回している機関だって多いではないか。

たとえば歯医者とか」

といわれるかもしれません。

確かに、歯科は保険をベースとしながらも、
ほぼ予定通りに進められている所も多いでしょう。

しかし考えてみてください・・・
歯科は、以下の点で精神科とはかなり事情が異なります。

・歯科は基本的に「外科」系なので、数多くの治療
すなわち「手術」をすることができ、
手術料を毎回加算できます

・手術に伴う薬(消毒薬や抗生物質、研磨剤、
鎮痛薬etc.)も加算できます

・特殊な歯ブラシやホワイトニング液など、
自費購入してもらえる物販も並行して行なっています

・何割かの患者さんは自費治療を行なっており、
ここで大きく収入を得られるので、保険診療の
患者さんによる収益が低くてもクリニック全体の
経営悪化をさせにくい体制となっています

・歯科は個人クリニックでも、2~3人から
10人近い医師数で診察している所が少なくありません。

このため、万一A医師で非常に滞っても、
(どうしても必要な場合には)B医師が臨時に
その日あなたを診察する、ということも可能です。

それに引き替え、メンタルクリニックの
ほとんどは医師(院長)が1人で診療しています。

お待たせしてしまうのは本当に心苦しいのですが、
以上のような諸事情もあるので、できるだけ
ご協力をお願いしたいと思います。

e)事前情報を渡すことの是非

初診の患者さんの中には、これまでのご自身の
病歴や処方歴をまとめた紙を持参し、
初診の受付時にお渡しになり

「診察までに、担当医に読んでおいてほしい」
と希望される方もおられます。

あるいは来院数日前に、FAXで医療機関に
送って来られる場合も。

予め情報をいただくのはありがたいですし、
できるだけ予習をするよう医師も心がけていますが、
以下の事情により、患者さんが期待するほどの
効果がなかったり、逆効果になる場合もありますので要注意です。

まず前提として
「いくら事前でも、膨大な資料には目を通せない」
ということを念頭に置いていただく必要があります。

前述の予診の情報もしかりですが、
当日の担当医が患者さんの情報を収集できる時間は、
診察直前の数分程度です。

ですからせっかく事前情報をお書きになる場合には、
以下の点を重視すると、医師がきちんと
目を通しやすくなるでしょう。

①長さはA4の紙1枚(長くても2枚)以内

これ以上だと「ああ、診察前の今の時間では無理」
と、読み飛ばされる可能性が高いです。

②周辺的なこまごまとしたことよりも、
まずは以下の点だけ明示する

・いつから主訴が始まったか
・精神科で入院したことがあるか、あるなら
その病院名と入院期間、入院回数

・薬は何をのんでいるか(薬品名、1日のmg数、
もし特に効果があったものや 副作用が著しかった
ものがあればその薬品名も)

f)診察室でメモにもとづいて質問する際の注意点

これもe)とも共通するところがありますが、
「診察時間は限られており、医師は
常に残り時間を気にしている」
ことを念頭に置き、

優先順位をつけて、どうしても伝えたいこと
(できるだけ5分以内にまとめる)だけにする、
ということが大事になります。

診察時間は実質数分~十数分程度。

診察後も、患者さんの入れ替えや、前の患者さんの
記憶が薄れないうちに診断内容・診立て・治療方針・
処方内容をカルテに記載する必要があるので、
患者さんの退室後も数分間はどうしても時間が取られます。

患者さんがあまりにも事細かに説明しようとして
話が長くなると、医師も時間が押していることへの焦りから、
病気や薬についての説明時間を十分取れなくなったり、
治療上こうしようと思ったことを度忘れしてしまったり、

場合によっては(意識的には抑制しようとしても)
患者さんに対するいらだちから、若干言動が
そっけなくなってしまうかもしれません。

「自分は具合が悪くて、勇気を振り絞って
初めて精神科を受診したのに・・・」

と感じるお気持ちはよくわかるのですが、医師も人間。

やはり感情のある生き物ですから、
上手に対応戦略を立てて臨んだ方が、
最大の成果を引き出しやすいでしょう。

g)診断書を書いてもらうための受診をする際に留意すべき点

精神科を初診する患者さんの中には、

①自立支援医療
②精神障害者保健福祉手帳
③精神障害年金

などの取得(申請)用の診断書を書いてほしいから、
という理由の方もおられます。

そして、これらの診断書は、
医療機関の書式でよく出される、
例えば病休のための診断書などと異なり、

・居住区(市や区)の指定の書式を使う必要があり、
ほとんどの場合、患者さん自身が役所で
その用紙をもらってくる必要がある

・書く欄が非常に多く手間と時間がかかるため、
持参したその日に書いてもらえる確率は低い

このため、期間に余裕をもって(少なくとも1か月程度)
持参されることをお勧めします。

特にこうした診断書を書いてもらうことが
全くの初めての場合、これまでの病歴とか
成育歴などを含めて細かく聴取する必要がありますが、

初診時だけではそれが困難な場合もあるからです。

また、過去に他の医療機関でこうした診断書を
書いてもらった場合は、そのコピーがあると
次の担当医が書く時間がかなり短縮できるため、

書いてもらったら自分用にコピーして
おかれることをお勧めします(書類は複写式ですが、

患者さん用の控えはついていませんので)。

今回は、心療内科/精神科とはどんな所か、
初診した際の流れの概要、
その機会から最大限の効果を引き出す
ポイントをお伝えしました。

今後の受診を検討されている方は
ご参照いただけると幸いです。


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完璧主義は悪徳です


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

「仕事をはじめ、やると決めたことは
きっちりやらなければならない」

というのは、先進国――殊に日本やアメリカ
といったビジネスの最先端では、
常識とされる価値観です。

特に現代は

・安全性の重視される交通、土木建設分野

・直接お金の関わる金融分野

・全世界と瞬時につながっており、
セキュリティ対策が特に重視されるIT分野

・人命に直接関わる医療分野

などをはじめ、完璧性を求めて
「ダブルチェック」「トリプルチェック」が
マニュアル化されるなど、

極力漏れやミスが
出ないように工夫されており、
もちろんそれは大変大切なことです。

ただ、こうした完璧主義も行き過ぎると、
特に心理面では、害にもなってきます。

そうした例を、これまで多くの
患者さんで見てきました。

完璧主義が行き過ぎると、うつや不安が
強まりやすくなってしまいます。

同じストレスを受けたとしても、
完璧主義の人は「まだ足りない点」に
ばかり目が向くため、

うつ病や、不安障害関係
(例 パニック障害、社交不安障害、強迫性障害など)
を発症しやすくなります。

仮に初発後、早期に精神科を初診して薬が効いたとします。
それは幸いなのですが、
薬はあくまでも対症療法に過ぎません。

例えば歯痛がした時に、鎮痛剤をのめば
とりあえずは痛みが消えるでしょうが、

虫歯そのものの治療や、虫歯を新たに
作らないような食習慣・歯磨き習慣を
身につけない限り、近いうちに必ず痛みは再発しますし、

虫歯を放置すれば進行し、ついには
痛み止めが効かなくなってしまいます。

完璧主義も同じです。

「行き過ぎた完璧主義が自分にあること
自覚し、それを減らす訓練」
という根本治療をしない限り、

精神症状が再発しますし、
根本治療をしないでいると徐々に進行して、

薬では効かなくなっていきます。

例えばうつ病の場合、
「今日はここまでの作業をすべきだ」
と決めたら、予想より時間がかかって
もう疲れているのに、

無理に仕上げようとして調子を崩したり、
「先月は不調で仕事をできなかった。
今日は比較的体力があるから、
今のうちに多めにやっておかないと」

と、計画上は明日でも問題はない課題まで
片づけようとがんばってしまい、
また調子を崩す
・・・という例を、多く見てきました。

私も完璧主義の傾向がありますし、
過去に学業や仕事をできなくなるほどの
うつ状態になったこともあるので、

その気持ちはよくわかります。

しかしそこはぐっと抑えて
「最低限だけやれば良い」
「『良い加減(よいかげん)』にする」
と、自分に言い聞かせ続ける必要があります。

なのでここではあえて、以下のように宣言します。

★「行き過ぎた完璧主義は悪徳であり、
毎日、その『誘惑』に落ちないよう、
自分を訓練する必要がある」。


「え~、それはいくら何でも言い過ぎでは?」
と思われるかもしれません。

しかしあなたを取り巻く世界が
「完璧、きっちりが美徳」
というメッセージだらけであるなら、そしてあなたが

「自分は生まれつきぐーたらで、
自然体にしていれば適度にサボっているから大丈夫」

という人でない限り、

「行き過ぎた完璧主義は~」
は毎日、念仏のように、あるいは呪文のように、
自分に向って唱えた方が良いでしょう。

そのくらい、現代社会の完璧追求性が高いからです。

そういえば数か月前に見たテレビ番組
「たけしのニッポンのミカタ」の中で、
ある主婦向けの女性アドバイザー(家の中の片づけ法を助言)
がこんな提案をしており、とても面白く感じました。

片づけも、長年ぜんぜんやらなかった人が
ひとたび腰を上げると、
今日はここをやろうと
決めた場所以外にも汚れや乱れが目についてしまい、

次々と追加の作業をしてしまって
何時間も経過し、ぐったり疲れて結局挫折、
ということになりがちです。

そこでアドバイザーは、
マニキュア好きな女性に
「1本の爪だけ塗らずに残したまま生活する」
ことを助言したのです。

1本だけ塗らないでいるなんて、
中途半端で気になり、いやですよね。

しかしその状態でいると、
それでも他の目の前のことを次々と
やらねばならないので、そのうち塗り残しの
指のことなど忘れていくわけです。

ふとした折にまた塗り残しを思い出して気になっても、
また他の作業をしているうちに紛れる・・・。

これを何度も繰り返すうちに
「不完全な状態で放置しても、大して害はないんだ」
と実感できるようになります。

するとそれが他の作業面にも効果が波及していきます。

例えば
「今日はバスルーム全体をきれいにしたかったけど、
風呂のふたやいすなど小物を洗えなかった」

としても、

「ま、いいか。次の作業日に続きをしようっと」
と考えを切り替えやすくなるのです。

完璧主義が、より重度になったものが強迫性障害
(強迫神経症)ですが、

これの心理療法でも、最重要なポイントは

「完璧性を目指さない」
「不完全が気になっても、時間がたつにつれて楽になる」
というものです。

逆に完璧を追及すればするほど、
最初よりも更に完璧主義度が強まってしまい、
日々の生活にも支障が出るようになってしまいます。

以上のように、行き過ぎた完璧主義は「悪徳」なのです。

ご自分の完璧主義追及傾向に心当たりがある方は、
上述のをぜひ、日々、ご自分に
言い聞かせるようにされることをお勧めします。


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良い精神科医の見分け方


★信頼できる良い精神科医やカウンセラーとは?
 その見分け方、着眼点

まずは、良い精神科および精神科医を選ぶために、
逆に「これだけは避けた方が良い」という
精神科/心療内科は・・・
という点で見ていきましょう。

まず、

①診察室に入っても、担当医が患者を見ない

カルテ(パソコンの電子カルテ含む)ばかりを見て
患者さんにほとんど視線を合わせない
という例を、私もある身体科で経験したことがあります。

最近は医療もサービス業であるという認識が
広がりつつあり、昔に比べればずいぶん減っている
とは思われますが、いまだに社会人として非常識な
レベルの医者も、残念ながらいるようです。

同様の理由により

・言葉遣いがぞんざい
・服装があまりにも乱れている

なども不合格ですね。

それから、以下の点にも
要注意です。


②患者の症状しか聞かない

特にメンタルな症状をきたす背景には、さまざまなストレス、
例えば人間関係、異動・転居・転校・
結婚離婚、死別その他の喪失体験・・・
といったものがあることが多いもの。

また、同じストレス下にあっても睡眠や食事内容
などが保てているか、乱れてしまっているかで
症状のその後の進行度や回復の可能性が変わってきます。

またお酒を常飲している人は知らないうちに
アルコール依存傾向が既に始まっている場合も少なくなく、
すると依存のない人に比べ、うつや不安、不眠が
悪化しやすいなど、治療に向けて1つハードルが加わります。

それに、場合によってはお酒そのものが精神症状の
原因(例えば、一見統合失調症に見える幻覚妄想が、
アルコール性のもの)であることも。

このように、患者さんの生活背景を探るのは
診断するにも治療方針を立てる上でも、
大変重要なことです。

それなのに、そうした生活の結果として出てきた
症状のみで治療開始しては、あくまでもその場しのぎであり、
本質的な改善は望めません。

③初診なのにいきなり多種類の薬を処方する

例えばうつ病が疑われる場合、
私なら以下の形で出すことが多いです。

・抗うつ薬 1種(1日1~4回)
・睡眠薬 1種(就寝前または、「不眠時」頓服)
・抗不安薬 1種(食後または、「不安時」頓服)

回数や飲み方に幅があるのは、その患者さんの

・症状の重症度

・自宅療養してしっかり服用可能なのか、
勤務しながらなので少量しかのめない状況なのか

・一人暮らしか、家族と同居か
(心理的、物理的サポートが得られるか否かで
 薬の効果も変わってくるため)

によって調整するからです。

ところが、多剤処方が常態化している
医療機関だと、
初診なのに

・抗うつ薬2~3種類、

または
・抗うつ薬プラス抗精神病薬

(主として統合失調症に出すタイプの薬)複数、
さらには「副作用止め」
出したりします。

これでは、効果以前に副作用の
リスクの方が高まりますし、
効果が出たとしてもどの薬が
効いているのかがわからず、

いずれにしろ今後の処方調整で
ゆきづまることが目に見えています。

いかがでしたでしょうか。

次の機会では、
「精神科/心療内科の性質を知り、
最大のメリットを引き出そう」
というテーマで、お伝えしたいと思います。


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精神科/心療内科とカウンセリングルームやヒーリングサロン、整体などとどう違うのか? その使い分け方は?


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

ではこれから精神科/心療内科の選び方に
入っていきますが、そのためにまず、

「カウンセリングルームやヒーリングサロン、
 整体などとどう違うのか?
 そして、その使い分け方は?」

という点についてご説明します。

全く初めて精神科や心療内科を受診する方の場合、
時としてヒーリング(癒し)サロンや
カウンセリングルームと同じような
イメージで来院してしまい

「こんなはずじゃなかった・・・」
と感じる方も時々おられます。

ですので予め両者の違いを知り、それぞれを上手く
使い分けていただければと思います。

「カウンセリングルーム」
「ヒーリングサロン」
とはこんな所

「カウンセリングルーム」とは主に心理カウンセリング、
「ヒーリングサロン」とは主に身体のケア
(マッサージ、手当てによるエネルギーワークなど)をする所ですが、

細かな定義はさておくとして、要するに

・自費(つまり保険が使えない)代わりに、
1人の顧客に1人のスタッフが
数十分以上かけてじっくり関われる

・医療機関ではないので診断書や処方箋が書けない

というのが特徴です。
それに対して精神科/心療内科は医療機関なので

(1)保険が使える所が大部分
(使えない部分に関しては、その医療機関で
予め説明されているはずです)

(2)診断書、処方箋が発行できる

そしてここからがポイントなのですが、
保険診療では、毎回の診察で以下のことを
すればするほど、収入(診療報酬)が国から入ってきます。

・多くの種類と量の薬を出す。
 それもできるだけ新薬(薬価が高いから)中心にすると良い。

・多くの検査を、法律の範囲内でできるだけ頻繁に行なう。

・できるだけ高い医療器具を使う。

・上記を実行するため、1日あたりの患者数を
できるだけ増やす。

 少なくとも医師一人あたり数十人、
できれば3ケタが望ましい。

※例えば、以下を考えてみてください・・・
仮に9-17時、昼休みなしで患者さん一人を
5分で診察したとしても
せいぜい96人/日という計算になります。

実際には患者さんの容体によって
もっと長引いたりしますし、

そもそも医師も機械のように
何時間も同じ集中力は維持できないので、
後半はもっとペースが落ちてくるでしょう。

午後にもスタミナがもつよう、
昼食抜きが常態化するのは、さけるべきですし。
(でないと「医者の不養生」ですよね!)

逆に、毎回の診察で以下をすればするほど
収入が減り、赤字→倒産の危機に近づきます。

・一人の患者さんとじっくり話し合う

・必要最低限の検査項目を、
必要最低限の頻度(回数)だけ行なう

・必要最小限の薬の処方(種類、日数とも)だけ行なう

いかがでしょうか?
精神科/心療内科で「じっくり話を聞いてもらう」
のを期待するのは、かなり
現実的に困難な体制になっています。

国民皆保険は日本の医療発展と
国民の長寿を支える尊い制度でしたが、
この中で、急増している精神的不調を全て
対応してもらうのは、現実的に難しいのです。

それと、精神の不調時だからこそ、
長く話している場合ではない、
という側面も、実はあります。

どういうことか、ご説明しますね。

どんな健康上の問題もそうですが、
受診者の中には比較的軽度の人もいれば、
今すぐ対処しないと命の危険もある、
という方もおられます。

例えば精神の症状が実は脳その他、身体の
病気から発していて、そちらの治療をしないと
精神症状も治せない、といった場合。

また、純粋な統合失調症やうつ病でも、
非常に重症期の場合はともかく一旦入院してもらい、
一定量の薬で鎮静しないと、

緊張や妄想の世界に
入りっぱなしで何を語りかけても
耳に入らない、ということがあります。

人格の司令塔である脳が病状で
自己コントロールを離れてしまっている時期には、
長々と話しても本人の中では堂々巡りするばかりで
何も解決せず、

そうこうしているうちに疲労困憊し、
しかし症状のせいで眠ることも食べることもできず、
早急に対応しないと消耗死してしまいかねません。

「対話」や「カウンセリング」は、
心身の最悪の谷底状態から多少とも這い上がり

「自分はどうしちゃったんだろう?
今後いったい、どうしていけばいいんだろう?」

と考え始めてからで十分ですし、
その時期になってからでないと
むしろ害の方が大きいのです。

私はかつて、自分が開いたカウンセリングルームや、
後にはクリニックでも「心理カウンセリング」や
「催眠療法(ヒプノセラピー)」を行なっていましたが、

その際にも、患者(クライアント)さんが、
その時点でそうしたセラピーを受けられる段階にあるかを、
まずしっかりと見極める時間を取っていました。

以上の理由から、

・精神科/心療内科では
 「診断」「処方」
 を受ける

これと並行して

・カウンセリングルーム等で
 「心理カウンセリング」
(人によっては催眠療法、レイキ、気功、アロマ・・・など)
 を受け、じっくり専門家と話すことで、
 自分自身の理解を深めることを学ぶ

のが肝要となります。


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