精神科/心療内科の性質を知り、最大のメリットを引き出そう


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

それでは今回は、
精神科/心療内科の性質を知り、最大のメリットを引き出そう
というテーマで、お伝えしますね。

(1)科名について

メンタルな悩みを主訴に受診する場合、
精神科または心療内科となりますね。

この2つの科の違いとは何でしょうか?

まず「心療内科」ですが、本来この科が診る病状とは、

「内科疾患のうち、
心の悩みが身体症状の出現や、症状の程度に
大きな影響を与えている内科疾患」
です。

具体的には、以下のものとなります。

ここでは代表的なものだけいくつか挙げます。

・胃潰瘍、十二指腸潰瘍
・過敏性腸炎
・気管支ぜんそく
・起立性調節障害
・高血圧
・神経性食思不振症(いわゆる拒食症)
・片頭痛

つまり、症状をきたしている臓器自体には
これといって病気はないのに、
生活に差支えるような症状が続く場合、

その原因が心理的なものにあるとみて、
心理要因にもある程度対処しようというのが、
心療内科の本来の立ち位置です。

なので、統合失調症や重度のうつ病、
コントロール不良な不安発作など、ある程度
本格的な対処が必要になる場合は、精神科での
治療が必要になる場合が多いです。

このため、心療内科のみを標ぼうしている場合は、
その時点で「精神科に転院してください」
といわれる可能性があります。

また

・入院の必要性を含めての相談
や、
・入院生活ってどのようなものなのか

などは、精神保健指定医を持つ医師の方が
具体的にお答えできやすい場合が多いです。

なので、お問い合わせ時にはその点も確認して
みられるのも良いかもしれません。

それから、心療内科のみだと、以下のような
診断書類が書けない場合もありますので要注意です。

・精神障害者年金用診断書
・精神障害者保健福祉手帳用診断書
・自立支援用診断書

(精神障害者保健福祉手帳用診断書、
自立支援用診断書は、法的には
心療内科でも書けますが、やはり手間が
かかるので書かない方針にしている機関もあるようです)

(2)精神科とはこんな所

それでは、精神科/心療内科(文字数が多くなるので、
ここでは「精神科」で代表し一括します)を初めて
受診(初診)するとどのような経験を
されるのか、概要をご説明しましょう。

a)診療の流れ

医療機関の種類(外来のみの「クリニック」か、
入院施設もある「病院」か)や、
精神科のみか他の身体科もある所かで

若干手続きが異なる場合もありますが、
ほとんどの場合、以下の流れとなります。

まず初診用問診票に個人情報と、
来院の原因になった症状、それがいつからあるか、
これまでどのように対処してきたかなどを記入します。

次にその書類に基づき、受付事務スタッフ、
または看護師等があなたを呼んで数分~十数分
程度の簡単な聞き取りをするかもしれません。

医療機関によってはこの後直接担当医に
診察室に呼ばれたりしますが、

ある程度スタッフ数の多い機関ならば

その前にもう一段階あり、ここで別の
スタッフによる比較的詳しい問診が行なわれます。

このスタッフは研修医か、臨床心理士などの
心理カウンセラーあるいはPSW(ケースワーカー)
などが担当する場合が多いです。

ここでさらに、いつからどんな症状が
あったかなど、現在の病状(現病歴)にまつわる事項の他、

・既往歴

・どんな家族や人間関係の中で生まれ育ったか

・家族の病歴(身体疾患も含めて)

・学歴、学業成績、友人等との対人関係の様子

・飲酒、喫煙、薬物、その他の生活習慣や嗜好、

・その他

といったことが聴取されます。
もちろん、特段これといって伝えるような
ことがなければそのぶん、この時間も短めに終わります。

この比較的長い聞き取りの時間を
「予診」あるいは「インテーク」と呼ぶことがあります。

b)診療内容

さていよいよ、担当医に名前(機関によっては
名前を出さず番号制にしている所も)
を呼ばれ、診察室に入ります。

そこで先ほどまでの予診の情報に基づき、
医師による確認や補足の問診が行なわれます。

予診でそれなりに詳細に聴き取りましたので、
医師による診察は数分~十数分で済むことが多いです。

この中で医師は今回のあなたの病状として
最も考えられるもの、例えば「うつ病」に
ついての概要を説明するでしょう。

その中では

・どんな病気か
・治療はどうするか
・使う薬の説明(作用、副作用、
効いてくるまでの期間、飲み方の注意など)

・勤務や家事など、普段の活動をどうするか
(病状がある程度重い場合は、仕事を
休むための診断書が発行される場合があります)

・次回の診察日の候補日を決める

といったことを行ない、診察室を後にすることになります。

c)精神科で期待できること、期待しない方がよいこと

さて、「精神科を受診したが、やたら
待たされた割には、医師に大して話を
聞いてもられなかった」

という点に関しては

→前項の 「2)精神科/心療内科と
カウンセリングルームやヒーリングサロン、
整体などとどう違うのか?

その使い分け方は?」

をご参照ください。

d)診療時間と待ち時間について

c)とも関連しますが
「○時に来院するよういわれたのに、
1時間も待たされた」

という苦情をいただくことがあります。

もちろん担当医はできるだけ予約枠内の
患者さんをその時間内で診ようと努力しているのですが、

その日の患者さんの病状により、

予想よりも長く時間がかかってしまったり、緊急入院の
手続きをしてあげる必要が出るなどして、
大幅に予定時間を越えてしまう場合がありえます。

どうしても時間通りにしてもらわないと困る、という方は、
自費専門でやっているような医療機関を探して
かかっていただく必要があると思います。

「しかし保険の範囲内だって、ちゃんと時間内で
診察を回している機関だって多いではないか。

たとえば歯医者とか」

といわれるかもしれません。

確かに、歯科は保険をベースとしながらも、
ほぼ予定通りに進められている所も多いでしょう。

しかし考えてみてください・・・
歯科は、以下の点で精神科とはかなり事情が異なります。

・歯科は基本的に「外科」系なので、数多くの治療
すなわち「手術」をすることができ、
手術料を毎回加算できます

・手術に伴う薬(消毒薬や抗生物質、研磨剤、
鎮痛薬etc.)も加算できます

・特殊な歯ブラシやホワイトニング液など、
自費購入してもらえる物販も並行して行なっています

・何割かの患者さんは自費治療を行なっており、
ここで大きく収入を得られるので、保険診療の
患者さんによる収益が低くてもクリニック全体の
経営悪化をさせにくい体制となっています

・歯科は個人クリニックでも、2~3人から
10人近い医師数で診察している所が少なくありません。

このため、万一A医師で非常に滞っても、
(どうしても必要な場合には)B医師が臨時に
その日あなたを診察する、ということも可能です。

それに引き替え、メンタルクリニックの
ほとんどは医師(院長)が1人で診療しています。

お待たせしてしまうのは本当に心苦しいのですが、
以上のような諸事情もあるので、できるだけ
ご協力をお願いしたいと思います。

e)事前情報を渡すことの是非

初診の患者さんの中には、これまでのご自身の
病歴や処方歴をまとめた紙を持参し、
初診の受付時にお渡しになり

「診察までに、担当医に読んでおいてほしい」
と希望される方もおられます。

あるいは来院数日前に、FAXで医療機関に
送って来られる場合も。

予め情報をいただくのはありがたいですし、
できるだけ予習をするよう医師も心がけていますが、
以下の事情により、患者さんが期待するほどの
効果がなかったり、逆効果になる場合もありますので要注意です。

まず前提として
「いくら事前でも、膨大な資料には目を通せない」
ということを念頭に置いていただく必要があります。

前述の予診の情報もしかりですが、
当日の担当医が患者さんの情報を収集できる時間は、
診察直前の数分程度です。

ですからせっかく事前情報をお書きになる場合には、
以下の点を重視すると、医師がきちんと
目を通しやすくなるでしょう。

①長さはA4の紙1枚(長くても2枚)以内

これ以上だと「ああ、診察前の今の時間では無理」
と、読み飛ばされる可能性が高いです。

②周辺的なこまごまとしたことよりも、
まずは以下の点だけ明示する

・いつから主訴が始まったか
・精神科で入院したことがあるか、あるなら
その病院名と入院期間、入院回数

・薬は何をのんでいるか(薬品名、1日のmg数、
もし特に効果があったものや 副作用が著しかった
ものがあればその薬品名も)

f)診察室でメモにもとづいて質問する際の注意点

これもe)とも共通するところがありますが、
「診察時間は限られており、医師は
常に残り時間を気にしている」
ことを念頭に置き、

優先順位をつけて、どうしても伝えたいこと
(できるだけ5分以内にまとめる)だけにする、
ということが大事になります。

診察時間は実質数分~十数分程度。

診察後も、患者さんの入れ替えや、前の患者さんの
記憶が薄れないうちに診断内容・診立て・治療方針・
処方内容をカルテに記載する必要があるので、
患者さんの退室後も数分間はどうしても時間が取られます。

患者さんがあまりにも事細かに説明しようとして
話が長くなると、医師も時間が押していることへの焦りから、
病気や薬についての説明時間を十分取れなくなったり、
治療上こうしようと思ったことを度忘れしてしまったり、

場合によっては(意識的には抑制しようとしても)
患者さんに対するいらだちから、若干言動が
そっけなくなってしまうかもしれません。

「自分は具合が悪くて、勇気を振り絞って
初めて精神科を受診したのに・・・」

と感じるお気持ちはよくわかるのですが、医師も人間。

やはり感情のある生き物ですから、
上手に対応戦略を立てて臨んだ方が、
最大の成果を引き出しやすいでしょう。

g)診断書を書いてもらうための受診をする際に留意すべき点

精神科を初診する患者さんの中には、

①自立支援医療
②精神障害者保健福祉手帳
③精神障害年金

などの取得(申請)用の診断書を書いてほしいから、
という理由の方もおられます。

そして、これらの診断書は、
医療機関の書式でよく出される、
例えば病休のための診断書などと異なり、

・居住区(市や区)の指定の書式を使う必要があり、
ほとんどの場合、患者さん自身が役所で
その用紙をもらってくる必要がある

・書く欄が非常に多く手間と時間がかかるため、
持参したその日に書いてもらえる確率は低い

このため、期間に余裕をもって(少なくとも1か月程度)
持参されることをお勧めします。

特にこうした診断書を書いてもらうことが
全くの初めての場合、これまでの病歴とか
成育歴などを含めて細かく聴取する必要がありますが、

初診時だけではそれが困難な場合もあるからです。

また、過去に他の医療機関でこうした診断書を
書いてもらった場合は、そのコピーがあると
次の担当医が書く時間がかなり短縮できるため、

書いてもらったら自分用にコピーして
おかれることをお勧めします(書類は複写式ですが、

患者さん用の控えはついていませんので)。

今回は、心療内科/精神科とはどんな所か、
初診した際の流れの概要、
その機会から最大限の効果を引き出す
ポイントをお伝えしました。

今後の受診を検討されている方は
ご参照いただけると幸いです。


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完璧主義は悪徳です


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

「仕事をはじめ、やると決めたことは
きっちりやらなければならない」

というのは、先進国――殊に日本やアメリカ
といったビジネスの最先端では、
常識とされる価値観です。

特に現代は

・安全性の重視される交通、土木建設分野

・直接お金の関わる金融分野

・全世界と瞬時につながっており、
セキュリティ対策が特に重視されるIT分野

・人命に直接関わる医療分野

などをはじめ、完璧性を求めて
「ダブルチェック」「トリプルチェック」が
マニュアル化されるなど、

極力漏れやミスが
出ないように工夫されており、
もちろんそれは大変大切なことです。

ただ、こうした完璧主義も行き過ぎると、
特に心理面では、害にもなってきます。

そうした例を、これまで多くの
患者さんで見てきました。

完璧主義が行き過ぎると、うつや不安が
強まりやすくなってしまいます。

同じストレスを受けたとしても、
完璧主義の人は「まだ足りない点」に
ばかり目が向くため、

うつ病や、不安障害関係
(例 パニック障害、社交不安障害、強迫性障害など)
を発症しやすくなります。

仮に初発後、早期に精神科を初診して薬が効いたとします。
それは幸いなのですが、
薬はあくまでも対症療法に過ぎません。

例えば歯痛がした時に、鎮痛剤をのめば
とりあえずは痛みが消えるでしょうが、

虫歯そのものの治療や、虫歯を新たに
作らないような食習慣・歯磨き習慣を
身につけない限り、近いうちに必ず痛みは再発しますし、

虫歯を放置すれば進行し、ついには
痛み止めが効かなくなってしまいます。

完璧主義も同じです。

「行き過ぎた完璧主義が自分にあること
自覚し、それを減らす訓練」
という根本治療をしない限り、

精神症状が再発しますし、
根本治療をしないでいると徐々に進行して、

薬では効かなくなっていきます。

例えばうつ病の場合、
「今日はここまでの作業をすべきだ」
と決めたら、予想より時間がかかって
もう疲れているのに、

無理に仕上げようとして調子を崩したり、
「先月は不調で仕事をできなかった。
今日は比較的体力があるから、
今のうちに多めにやっておかないと」

と、計画上は明日でも問題はない課題まで
片づけようとがんばってしまい、
また調子を崩す
・・・という例を、多く見てきました。

私も完璧主義の傾向がありますし、
過去に学業や仕事をできなくなるほどの
うつ状態になったこともあるので、

その気持ちはよくわかります。

しかしそこはぐっと抑えて
「最低限だけやれば良い」
「『良い加減(よいかげん)』にする」
と、自分に言い聞かせ続ける必要があります。

なのでここではあえて、以下のように宣言します。

★「行き過ぎた完璧主義は悪徳であり、
毎日、その『誘惑』に落ちないよう、
自分を訓練する必要がある」。


「え~、それはいくら何でも言い過ぎでは?」
と思われるかもしれません。

しかしあなたを取り巻く世界が
「完璧、きっちりが美徳」
というメッセージだらけであるなら、そしてあなたが

「自分は生まれつきぐーたらで、
自然体にしていれば適度にサボっているから大丈夫」

という人でない限り、

「行き過ぎた完璧主義は~」
は毎日、念仏のように、あるいは呪文のように、
自分に向って唱えた方が良いでしょう。

そのくらい、現代社会の完璧追求性が高いからです。

そういえば数か月前に見たテレビ番組
「たけしのニッポンのミカタ」の中で、
ある主婦向けの女性アドバイザー(家の中の片づけ法を助言)
がこんな提案をしており、とても面白く感じました。

片づけも、長年ぜんぜんやらなかった人が
ひとたび腰を上げると、
今日はここをやろうと
決めた場所以外にも汚れや乱れが目についてしまい、

次々と追加の作業をしてしまって
何時間も経過し、ぐったり疲れて結局挫折、
ということになりがちです。

そこでアドバイザーは、
マニキュア好きな女性に
「1本の爪だけ塗らずに残したまま生活する」
ことを助言したのです。

1本だけ塗らないでいるなんて、
中途半端で気になり、いやですよね。

しかしその状態でいると、
それでも他の目の前のことを次々と
やらねばならないので、そのうち塗り残しの
指のことなど忘れていくわけです。

ふとした折にまた塗り残しを思い出して気になっても、
また他の作業をしているうちに紛れる・・・。

これを何度も繰り返すうちに
「不完全な状態で放置しても、大して害はないんだ」
と実感できるようになります。

するとそれが他の作業面にも効果が波及していきます。

例えば
「今日はバスルーム全体をきれいにしたかったけど、
風呂のふたやいすなど小物を洗えなかった」

としても、

「ま、いいか。次の作業日に続きをしようっと」
と考えを切り替えやすくなるのです。

完璧主義が、より重度になったものが強迫性障害
(強迫神経症)ですが、

これの心理療法でも、最重要なポイントは

「完璧性を目指さない」
「不完全が気になっても、時間がたつにつれて楽になる」
というものです。

逆に完璧を追及すればするほど、
最初よりも更に完璧主義度が強まってしまい、
日々の生活にも支障が出るようになってしまいます。

以上のように、行き過ぎた完璧主義は「悪徳」なのです。

ご自分の完璧主義追及傾向に心当たりがある方は、
上述のをぜひ、日々、ご自分に
言い聞かせるようにされることをお勧めします。


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良い精神科医の見分け方


★信頼できる良い精神科医やカウンセラーとは?
 その見分け方、着眼点

まずは、良い精神科および精神科医を選ぶために、
逆に「これだけは避けた方が良い」という
精神科/心療内科は・・・
という点で見ていきましょう。

まず、

①診察室に入っても、担当医が患者を見ない

カルテ(パソコンの電子カルテ含む)ばかりを見て
患者さんにほとんど視線を合わせない
という例を、私もある身体科で経験したことがあります。

最近は医療もサービス業であるという認識が
広がりつつあり、昔に比べればずいぶん減っている
とは思われますが、いまだに社会人として非常識な
レベルの医者も、残念ながらいるようです。

同様の理由により

・言葉遣いがぞんざい
・服装があまりにも乱れている

なども不合格ですね。

それから、以下の点にも
要注意です。


②患者の症状しか聞かない

特にメンタルな症状をきたす背景には、さまざまなストレス、
例えば人間関係、異動・転居・転校・
結婚離婚、死別その他の喪失体験・・・
といったものがあることが多いもの。

また、同じストレス下にあっても睡眠や食事内容
などが保てているか、乱れてしまっているかで
症状のその後の進行度や回復の可能性が変わってきます。

またお酒を常飲している人は知らないうちに
アルコール依存傾向が既に始まっている場合も少なくなく、
すると依存のない人に比べ、うつや不安、不眠が
悪化しやすいなど、治療に向けて1つハードルが加わります。

それに、場合によってはお酒そのものが精神症状の
原因(例えば、一見統合失調症に見える幻覚妄想が、
アルコール性のもの)であることも。

このように、患者さんの生活背景を探るのは
診断するにも治療方針を立てる上でも、
大変重要なことです。

それなのに、そうした生活の結果として出てきた
症状のみで治療開始しては、あくまでもその場しのぎであり、
本質的な改善は望めません。

③初診なのにいきなり多種類の薬を処方する

例えばうつ病が疑われる場合、
私なら以下の形で出すことが多いです。

・抗うつ薬 1種(1日1~4回)
・睡眠薬 1種(就寝前または、「不眠時」頓服)
・抗不安薬 1種(食後または、「不安時」頓服)

回数や飲み方に幅があるのは、その患者さんの

・症状の重症度

・自宅療養してしっかり服用可能なのか、
勤務しながらなので少量しかのめない状況なのか

・一人暮らしか、家族と同居か
(心理的、物理的サポートが得られるか否かで
 薬の効果も変わってくるため)

によって調整するからです。

ところが、多剤処方が常態化している
医療機関だと、
初診なのに

・抗うつ薬2~3種類、

または
・抗うつ薬プラス抗精神病薬

(主として統合失調症に出すタイプの薬)複数、
さらには「副作用止め」
出したりします。

これでは、効果以前に副作用の
リスクの方が高まりますし、
効果が出たとしてもどの薬が
効いているのかがわからず、

いずれにしろ今後の処方調整で
ゆきづまることが目に見えています。

いかがでしたでしょうか。

次の機会では、
「精神科/心療内科の性質を知り、
最大のメリットを引き出そう」
というテーマで、お伝えしたいと思います。


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精神科/心療内科とカウンセリングルームやヒーリングサロン、整体などとどう違うのか? その使い分け方は?


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

ではこれから精神科/心療内科の選び方に
入っていきますが、そのためにまず、

「カウンセリングルームやヒーリングサロン、
 整体などとどう違うのか?
 そして、その使い分け方は?」

という点についてご説明します。

全く初めて精神科や心療内科を受診する方の場合、
時としてヒーリング(癒し)サロンや
カウンセリングルームと同じような
イメージで来院してしまい

「こんなはずじゃなかった・・・」
と感じる方も時々おられます。

ですので予め両者の違いを知り、それぞれを上手く
使い分けていただければと思います。

「カウンセリングルーム」
「ヒーリングサロン」
とはこんな所

「カウンセリングルーム」とは主に心理カウンセリング、
「ヒーリングサロン」とは主に身体のケア
(マッサージ、手当てによるエネルギーワークなど)をする所ですが、

細かな定義はさておくとして、要するに

・自費(つまり保険が使えない)代わりに、
1人の顧客に1人のスタッフが
数十分以上かけてじっくり関われる

・医療機関ではないので診断書や処方箋が書けない

というのが特徴です。
それに対して精神科/心療内科は医療機関なので

(1)保険が使える所が大部分
(使えない部分に関しては、その医療機関で
予め説明されているはずです)

(2)診断書、処方箋が発行できる

そしてここからがポイントなのですが、
保険診療では、毎回の診察で以下のことを
すればするほど、収入(診療報酬)が国から入ってきます。

・多くの種類と量の薬を出す。
 それもできるだけ新薬(薬価が高いから)中心にすると良い。

・多くの検査を、法律の範囲内でできるだけ頻繁に行なう。

・できるだけ高い医療器具を使う。

・上記を実行するため、1日あたりの患者数を
できるだけ増やす。

 少なくとも医師一人あたり数十人、
できれば3ケタが望ましい。

※例えば、以下を考えてみてください・・・
仮に9-17時、昼休みなしで患者さん一人を
5分で診察したとしても
せいぜい96人/日という計算になります。

実際には患者さんの容体によって
もっと長引いたりしますし、

そもそも医師も機械のように
何時間も同じ集中力は維持できないので、
後半はもっとペースが落ちてくるでしょう。

午後にもスタミナがもつよう、
昼食抜きが常態化するのは、さけるべきですし。
(でないと「医者の不養生」ですよね!)

逆に、毎回の診察で以下をすればするほど
収入が減り、赤字→倒産の危機に近づきます。

・一人の患者さんとじっくり話し合う

・必要最低限の検査項目を、
必要最低限の頻度(回数)だけ行なう

・必要最小限の薬の処方(種類、日数とも)だけ行なう

いかがでしょうか?
精神科/心療内科で「じっくり話を聞いてもらう」
のを期待するのは、かなり
現実的に困難な体制になっています。

国民皆保険は日本の医療発展と
国民の長寿を支える尊い制度でしたが、
この中で、急増している精神的不調を全て
対応してもらうのは、現実的に難しいのです。

それと、精神の不調時だからこそ、
長く話している場合ではない、
という側面も、実はあります。

どういうことか、ご説明しますね。

どんな健康上の問題もそうですが、
受診者の中には比較的軽度の人もいれば、
今すぐ対処しないと命の危険もある、
という方もおられます。

例えば精神の症状が実は脳その他、身体の
病気から発していて、そちらの治療をしないと
精神症状も治せない、といった場合。

また、純粋な統合失調症やうつ病でも、
非常に重症期の場合はともかく一旦入院してもらい、
一定量の薬で鎮静しないと、

緊張や妄想の世界に
入りっぱなしで何を語りかけても
耳に入らない、ということがあります。

人格の司令塔である脳が病状で
自己コントロールを離れてしまっている時期には、
長々と話しても本人の中では堂々巡りするばかりで
何も解決せず、

そうこうしているうちに疲労困憊し、
しかし症状のせいで眠ることも食べることもできず、
早急に対応しないと消耗死してしまいかねません。

「対話」や「カウンセリング」は、
心身の最悪の谷底状態から多少とも這い上がり

「自分はどうしちゃったんだろう?
今後いったい、どうしていけばいいんだろう?」

と考え始めてからで十分ですし、
その時期になってからでないと
むしろ害の方が大きいのです。

私はかつて、自分が開いたカウンセリングルームや、
後にはクリニックでも「心理カウンセリング」や
「催眠療法(ヒプノセラピー)」を行なっていましたが、

その際にも、患者(クライアント)さんが、
その時点でそうしたセラピーを受けられる段階にあるかを、
まずしっかりと見極める時間を取っていました。

以上の理由から、

・精神科/心療内科では
 「診断」「処方」
 を受ける

これと並行して

・カウンセリングルーム等で
 「心理カウンセリング」
(人によっては催眠療法、レイキ、気功、アロマ・・・など)
 を受け、じっくり専門家と話すことで、
 自分自身の理解を深めることを学ぶ

のが肝要となります。


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あなたのその「うつ」「不安」は、医療に相談すべき段階か?


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

うつ病になったことのない人がよくいう言葉に
「誰でも生きていれば、落ち込むことはある。
それをいちいち病気扱いするなんて、世の中甘えている」
というのがあります。

しかし、健常者の一時的な心理反応としての抑うつ状態と、
病気レベルでは、程度がかなり違い、
常識的な対処法ではもはや効果が出ないばかりか、
逆効果になることもしばしばです。

「では今の私の症状は(憂うつ気分、不安感、
無気力、不眠など)、健常な範囲なのか、

それともうつ病レベルなのか、どうやってわかるの?」

はい、それを見分けるための項目を
以下に挙げますね。

★あなたは今、医療機関を受診したほうが良い段階か?
(チェックリスト)

その症状が連続して2週間以上続いている

その症状のために日常生活や社会生活に支障が出ている

(例 出勤できない、必要な仕事や作業ができない、
頭が回らない、集中できない、
やり慣れていた家事や身の回りのこともできなくなっている)

他人と接するのがこれまでになく苦痛で、
 人を避けてしまう、あるいはさけたい

原因不明の痛み、めまい、しびれ、しめつけ感、
 動悸などが続き、内科等で調べても異常ないといわれた

身近な人から見て、
 以前と人が変わったように感じられる

(例 穏やかだった人が攻撃的になる、
 活発だった人が無表情になりぼーっとしているなど)

食欲が落ちて異常にやせる、
 あるいは過食しどんどん太っていく

不眠、過眠、昼夜逆転

食事や睡眠のリズムが乱れ、
 自分でそれを直すことができない

何度も「死にたい」という、あるいは思う

それともう1点は
「常識的な方法ではかえって悪化する」
というのもポイントです。

例えば、通常の一時的なうつ反応なら

・自分の好きなことをする(趣味など)
・信頼できる人に話を聞いてもらう
・一晩ないし一日ゆっくり眠る

だけでもかなり気分が改善しますし、

・天気が良い
・食べたものが美味しい
・以前から欲しかったものを思い切って買った
・旅行に行く

などで
「気分が良くなった。ふっきれた」
「まあ、なんとかなるだろう」
「人生、捨てたもんじゃない」

と思えるようになるものです。

これに対して「うつ病」レベルになっていると、
そもそも元来好きだった趣味等にも
関心が湧かなくなっていますが、
それに加えて

・「こんなに天気が良いのに、
  自分の気分だけ暗い・・・」
・「旅行に出てきたが、疲れるばかり」
・「そもそも人に話すのがしんどい」

といった状態になり、

「何をやっても良くならない、絶望だ」
「周りは気をつかってくれてるのに、
 自分はそれにこたえられず、
 迷惑をかけるばかり」

と、ますますうつ気分が強まってしまいます。

こうなってしまうと、もはや
一時的な反応の段階を越えており、
医療的対処が必要になっている可能性が
高いでしょう。

上述の項目が多いほど、精神科/心療内科に
受診したほうが良いと考えられます。

それでは、数あるメンタルクリニック等から、
良い医療機関はどのように選べば良いのでしょうか?

次回からは、その点についてお伝えします。


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「うつ」に取り組まずにうつ病を治す方法


(8月25日追記)
佐藤宏之先生の声楽療法に、
東京都内でのグループレッスンが加わりました。
よりお手頃価格で、他の参加者たちと
交流経験も積みながら練習できます

詳細は”「うつ」に取り組まずに
うつ病を治す方法(2)
をごらんください。

こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

うつ病を治す治療の代表は現在、
薬物療法と心理療法(心理カウンセリング)
が2大治療法とされています。

(実際には新宿溝口クリニックをはじめとする
機関での、栄養療法も大いに有効ですが。)

それで、心理療法の場合、
例えば認知療法(CT)だと、

「自分がいつのまにか身につけてしまっている、
ネガティブな考え方に気づき、それをより
中立的・合理的な考え方に修正し身に着け直す」

ことが課題となり、日々それを練習して
いくこととなります。

催眠療法精神分析では、そうしたネガティブな
思い込みをするに至った最初の体験に立ち戻り、
それを現在の大人の視点から検証しなおす、
といったことも行ないます。

これらはいずれも重要で本質的な
ことですが、欠点としては

・非常に本人への心的負担が大きいこと、
また技術的にも高度なものを含むので、
専門のセラピスト(カウンセラー)に定期的に
(毎週の頻度で数か月から数年間)通う必要がある

ことがしばしばです。

また、特に認知療法や催眠療法で
いえることなのですが、

セラピストと共に取り組んだ時期には
明らかな改善が見られ、元気になっても、

セラピーを離れて数か月も経つと
また以前のネガティブな考え方の習慣に
戻ってしまい、再び徐々に悪化する、
ということも珍しくありません。

これはちょうと新たなスポーツを習う場合と同じで、
教室で習っただけでは入口の段階に過ぎず、

真に自分のものにするには
「卒業」後も毎日自分で自主トレを続けて
スキルを維持する必要があります。

筋肉と同様、心も毎日練習しないと
「ナマる」のです。

で、自主練をするためには

・一般向けの認知療法(または認知行動療法)
の本を読んで復習する

(現在はワークブック形式のもの
販売されています)

自律訓練法瞑想法
瞑想を併用する「マインドフルネス認知療法(MBCT)
の本を読み、日々自分でも
リラクゼーションや瞑想で「こころのフィットネス」を続ける

(「精神科医 浜野ゆりのホリスティック日記
の「おすすめ本棚」」に、
参考図書をアップしています)

といった方法がありますが、
今回は新たな方法をご紹介します。


「うつ」に取り組まずにうつ病を治す方法(1)

エネルギッシュな心は行動の基本なので、
まずメンタル面の向上は必須ですよね。

でも上記のように心そのものに1人で
取り組むのは、そして特にまだ
良いセラピストに出会っていない場合、

ある程度進行してしまった
うつや不安状態を自分で治すのは
なかなか難しいものです。

うつや不安で行動できないと、様々なタスクや
目標が達成できずたまっていくので、
それも焦りのもとになってしまいがち。

第一、仕事に行けなくなったら
生活費も入ってこなくなります。

そんな時、実用的な作業をこなしながら、
それが同時に心の治療に役立つとしたら、
どうでしょうか?

一石二鳥ですね。

先日You Tube で、興味深い情報発信を
している動画を見かけました。

作者の福原宏志氏は、数年前に重度のうつ病となり、
精神科通院による薬物療法をはじめ
自分なりにできることを全て試みたが
効果が出ず、死にたいと思うほど苦しまれました。

しかしある時、ネットビジネスで稼いでいる人
のことを知り、
「師匠」のいう通りの作業を
しているうちに、うつが治ってしまたそうです。

といっても心理療法を受けたわけではなく、
ともかく生活費を稼ぐために、師匠の指示に従って
必要な実務的作業を淡々と行なっていたそうです。

すると、それまで何年もの間ほぼ寝たきりの状態
だったのが、2か月ほど経って気が付くと、
大分うつ状態が軽減してました。

福原氏はその後も実務を続けながら回復し、
そしてもともと師匠はビジネスの師なので、
自分でも次第に稼げるようになり、

現在は動画で初心者向けに
ネットビジネスのやり方も助言しておられます。

福原氏本人は、病状が改善した理由を「習慣の力」と呼び、
ご自分の体験を踏まえて、同じようにうつ病に
苦しむ人が自分で治せるようにしたいと考え、

現在は「うつ病脱出ブログ
でその方法を発信しているほか、
より本格的に取り組みたい人のために
直接指導も受けられる有料教材も販売しています。

この教材は
・定期的な音声講座配信
・講座後の宿題提出
・メールの無制限サポート

を主とするものなのですが、

工夫されているなと感じたのは、

1)音声配信なので、うつで寝たきりでも、
横になりながら学べる

←うつ病が重度の時期は、寝返りを打つのさえ
困難なほど、身体が動きません。

 でも心の中は不安や焦りでいっぱいで、
その意味で忙しく活動してしまっています。

音声を聞くことで、生産的なことに
思考を向けられるので心がその分
楽になりますし、
身体は横に
なったままで良いので非常に助かります。

2)
・講座1本あたりが短い(30分程度)
・講座配信が週2-3回

←うつ病の時は頭が回らず、
理解力も集中力も落ちています。

 ですから、短時間なのは助かります。

しかし一方で不安、絶望感、孤独感に
さいなまれていますから、

「短時間の接触をちょくちょくしてもらう」
のはありがたいものです。

3)宿題はあくまでうつ病患者が
続けられるくらいの「かわいい」もの

←体が動かない、頭が回らない・・・
うつ病の時期は、相当なハンデを抱えています。

 そこで1回につきわずかな時間や手間で
良い宿題(例えば起き抜けに、
できる範囲で手足をもむ、軽くたたくなど)
をすれば良いようにしています。

うつ病になると、自己価値観が非常に
低下しています。

しかしわずかなタスクでも
できるようになると、自信の第一歩に
なるのです。

1)~3)とも、かなり重度のうつ病を
体験した者だからこそできる工夫ですね。

教材以外にも、内容の一部を解説した動画や、
焦りあるいは怒りを消す方法などの動画
(いずれも無料)もアップされています。

この記事の最後に、それらへのリンクも
貼っておきますね。

役立つと感じられたら、
参考にされてはいかがでしょうか。

(注)浜野自身は福原氏と面識はなく、
ブログや動画を視聴しての印象に基づいて
今回の記事を書いています。

特に有料教材の利用にあたっては、
福原氏のことをブログその他でよくお調べになり、
じっくり検討して、ご自身の判断にもとづいて
購入するるかどうかお決めになるよう、お願いします。

<動画>

あなたのうつ病が改善しない一番の理由

焦りを消す方法

 

「うつ」に取り組まずにうつ病を治す方法(2)

(1)では「実用的作業に集中することで、

結果的に精神状態も改善する方法」
についてお伝えしましたが、
今回はもう1つのバリエーションを
ご説明しましょう。

1)技術的な向上に集中する

という点は前回と共通ですが、もう1点

2)身体を使う

ということが、今回のポイントです。

そもそもこうした方向性が有効と知った
最初のきっかけが
『社会的うつ病』(斎藤環、新潮選書)
でした。

この中で、声楽家の佐藤宏之氏が、
ひきこもりなどの人たちに歌を教えるうちに
なぜか精神症状まで改善するのを複数経験し、

精神科医である齋藤氏に
相談したのだそうです。

これを受けて齋藤氏は、声楽レッスンを
受けることで
なぜ精神症状が改善するのかを検討し、
以下の結論を出しました。

①精神症状の治療そのものを目標とせず、
上手く歌うこと、すなわち技術的向上を目標とした
→技術的向上が達成感や自己肯定感の回復をもたらした

②歌うために呼吸法や姿勢など、
身体への意識を正しく向ける練習を積めたこと

→これらが生理的刺激となり、
身体が
活性化することで、
日常生活全般が
活性化するきっかけとなった

③指導に際しては、否定の言葉を用いない、
飽きさせない工夫をするなど、巧まざる
精神療法的工夫がなされていること

→歌唱技術の向上過程が常に言語化され、
評価されていくことで、客観的な
自己認識が可能になった

④定期的にレッスンに通ったり、人に
ふれあったりすることによる心理的刺激や、
レッスン生同士の交流により、社会性を
改善する機会を手にすることができた

・声楽家の佐藤宏之氏による「声楽療法(ベルカント・セラピー)」
は茨城県と福島県でしか受けられませんでしたが、
多数の要望の声を受け、最近は東京都内
でも受けられるようになりました。

詳細は 声楽療法(ベルカント・セラピー)のサイトでどうぞ。

(8月25日追記)
佐藤宏之先生の声楽療法に、
東京都内でのグループレッスンが加わりました。
よりお手頃価格で、他の参加者たちと
交流経験も積みながら練習できます

 

そして身体性の回復という視点から
もう1つ、注目すべきものがあります。

それは「認知運動療法」です。
出典:『リハビリテーション身体論
――認知運動療法の臨床×哲学』宮本昭三著、青土社)

認知運動療法とは、イタリアの神経内科医・リハビリテーション専門医であるカルロ・ペルフェッティが創始したものです。

認知運動療法をうんと簡略化して説明すると、
「手などで何かを触れ、それをありありと
イメージすることで、実際にその部分の
身体機能(運動機能)が回復する」

というもので、脳損傷後の麻痺患者に対する
従来の運動療法(麻痺した手足を外から強制的に動かす)
では効果不十分だったの例で、
運動機能の回復が見られたのです。

「運動療法の本質は、脳のなかの身体の消失
または変質であり、認知運動療法によって
脳のなかに失われた身体を取り戻すことができる」。
(ペルフェッティ)

これを受けて、前出の齋藤氏は、以下のように述べています。

「うつ病に限ったことではありませんが、
多くの精神障害や発達障害においても、
身体イメージはなんらかの損傷を受けている
可能性があります。

損傷にはいたらないまでも、心身の乖離が
生じていることは間違いないでしょう。

このため身体への配慮が不十分であったり、
心の問題が身体で表現される、といったことが
起こるのではないでしょうか。

観念性や内省が肥大しすぎて、身体への配慮が
置き去りになっているような場合にも、
こうした乖離が生じているように思います」。

そういえば以前私も、摂食障害の治療について
専門誌を読んでいた中で、
特に拒食症の患者さんたちを集めて
バランスボールを使ってもらい、

自分の身体感覚に意識を集中する
時間を持てるようにしたところ、
症状を軽減するのに有効だった、
という発表を読んだことがあります。

摂食障害――特に拒食症では、
客観的にはガリガリにやせているのに
「まだまだ太っている。お腹が・・・腿が・・・」

と本人は感じていることが多く、
現実と「身体イメージ」が本人の頭の中で
大きく解離している
ことが知られています。

バランスボールを使うことで、転落しないために
いやでもしばらく自分の身体の状態
(イメージではなく、現実の体の感覚)
に意識を集中することになるので、

それが本人の「頭の中の身体イメージ」と
「現実の身体の状態」
をすりあわせることになり、その結果

より現実的に自分の身体の状態を認識でき、
ゆがんだ身体イメージを修正する
きっかけになったと考えらえます。

心と身体がそろってこそ、
この世で生きる人としての存在。

身体の声も、ぜひ大切にしましょう。


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