潜在意識の力で肝臓を治した人


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

下記の記事は昨秋、
フェイスブックでも書きましたが、
最近、脳にある潜在力を最も有効に
引きだす手法が「イメージすること」だ
いうことを一段と実感しました。

なので、ここに加筆のうえ、再掲します。

知人で、現在はインターネットも
使った事業で成功している行政書士の
方がおられますが、この方が20代の時、
重度のB型肝炎になりました。

現在でもそうですが、こうした
慢性ウイルス性肝炎は根本治療がない
いわゆる難病と呼ばれ、肝炎→肝硬変→肝がん
と経過し、死に至ることも少なくありません。

実際当時の主治医にも
「対処法はない、進行するまでの期間を
少しでも延ばすよう努力するしかない」

といったニュアンスで説明を受け、
ショックを受けたそうです。

詳細は末尾にご紹介するご本人のサイトを
見ていただければと思いますが、
当時非常に厳しい生活環境にあり、
親も頼れない状況で、入院生活で
悶々と過ごしていたそうです。

そんな時に病院の中の図書室で
「サイモントン療法」の本に出会いました。

サイモントン療法とは、心の中で、
自分の体ががん細胞をやっつける
イメージをありありとすることで
本当に免疫力が強まり、がんを撃退する

という代替療法で、もう数十年前から
アメリカ中心に実践され、
効果を挙げてきました。

内容をみると、これは
瞑想や自己催眠そのものです
(欧米では、サイモントン療法専門の
療法士もいるそうです)。

この治療法でこの方――加川氏は
B型肝炎が完治しました

つまり、症状が改善しただけでなく、
病気の本体である、肝炎ウイルスがいなくなり
「ウイルスに打ち勝った印」ともいえる
「ウイルス抗体」がちゃんと形成されたのです。

定期血液検査でこの結果を見た
主治医は、とても不思議そうに
こういったそうです。

「うーーん、加川さんは幸運だね、
めったにこういうことはないから・・・」

この体験をヒントにその後
加川氏はさまざまな事業を立ち上げましたが、
潜在意識を使った願望実現法もその1つで、

自宅で学習するためのCD教材
提供しておられます。

加川氏の活動全般、そして上記の
自己治療体験の詳細もこちら
(特に後半の「病魔の克服
部分に詳しいです)。

潜在意識を活かせ!
幸せと成功をつかむ潜在意識の法則


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栄養が精神に及ぼす影響も理解している臨床心理士


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

春ごろ、友人の臨床心理士の先生と
久しぶりにお会いしました。

この方とは以前、一緒に勤務したことも
ある仲で、大変温かな人柄の先生です。

現在彼は単身赴任中だそうですが
マメな方らしく、ほぼ毎日自炊。

しかもブログによると、結構
しっかりメニューを工夫しておられます。

お会いした時に、
拙著『精神科医の栄養療法』
をお渡ししたのですが、

その後、そうした本なども参考に
糖質制限も開始。

この写真は彼のブログからの転載ですが
ご自分で、全粒粉入りフォーカッチャ
まで作ってます!
F氏作全粒粉入りフォーカッチャ

で、糖質制限を始めて2週間後から、
持病のアトピー性皮膚炎が
楽になったそうです。

以下がその記事

更に今月半ばごろの様子を
その後お知らせいただきました。

ご本人の同意を得たので、
ここにその内容の一部をご紹介します。

「糖質制限は、先生からいただいた
ご著書も参考にさせていただきました。

変化は徐々に現れています。
何よりも、急激な空腹感を
感じなくなりました。

体重も2ヶ月で2キロ以上落ちましたし、
思った以上に糖質依存があったのだ
思います。

ともすると心理士は、心の問題だけに
とらわれがちですが、やはり心と体は
表裏一体ですね!
改めて人間とは面白いなと思いました。」
糖質制限を取り入れておられる
臨床心理士はもう1人、北田義夫先生です。
この先生とも私は一時仕事を
ご一緒しました。

北田先生は新宿溝口クリニックで
栄養療法を学んだ後、
現在は同クリニックの患者さんたちに

「栄養指導も含めた心理カウンセリング」
をしておられます。
北田先生のブログ「家族総合支援室
最近では

国立精神・神経医療研究センター
功刀 浩先生専門誌「精神医学」
(2010年7月号)で「精神科栄養学」
という用語を提唱

アルツハイマー病は「脳の糖尿病」
であるという見解が欧米で発表

・「がんを予防したければ
慢性的高血糖状態(必ずしも糖尿病の
基準には至らないものを含む)
を避ける必要がある
ことがわかってくる

など、

・高タンパク質
・低糖質
・品質の高い油

を採用することは、
今後自分の健康を守るには
「常識」になっていくことでしょう。

その時、患者さんに
栄養への助言を
頼まれたのに

「いや、そちら方面は
私の専門ではないから・・・」

といっているようでは、これからの
時代、望まれる治療家には
なりづらいでしょうね。


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栄養療法外食実習セミナーを開催しました


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

8月11日に、都内のバイキングレストランにて
栄養療法的視点で外食をするには
何を選べば良いか

どんなメニューを
どんな順番で食べると最適か

といったことを
実際に参加者とともに
食事をしながら、実習をしました。

外食実習後
(写真は食後の懇親お茶会にて)

このお店は健康を意識した
コンセプトなので、例えば
店内にこのようなPOP

(というのでしょうか?
ミニサイズの説明ポスターのようなもの)
が置いてあったりします。

vegfirst

「まずは野菜から食べよう」というのは
栄養療法的にも合っています。

その理由は、野菜など食物繊維の
多いものをまず食べることで

その後の食事での血糖上昇が
緩やかになり、インシュリンの過剰
分泌が抑えられるため

自律神経系、ひいては精神状態の
安定を保つのに有利だからです。

これをこのお店では
「ベジファースト運動」と名付けていて
こういう名称があると確かに
記憶に残りやすくて良いな、と思いました。

外食実習2

今回参加くださった人たちは
健康意識が高く、既にある程度
食育の知識も学んでおられたので

メニュー選びや食べ方で
大幅な修正が必要な点は
ありませんでした。

また、健診データを持参された
参加者については、

そこから推定できる
現在の栄養状態、何がどの程度不足
しているか、についてもご説明しました。

(ただし健診データや人間ドック
データでは、栄養療法用に比べて
採血項目数が大幅に不足しているため、

分析用の情報が少なく、
あくまでも目安となりますが。

参加者のお一人は既にお気に入りの
プロテインも飲用して
効果を感じておられるとの
ことでしたが、

プロテインを飲んでいても、
食事のタンパク質はおかずでも
毎食補給する必要もご説明しました。

「プロテインを飲んでいれば、
その回の食事では別にタンパク質
おかずを摂らなくても大丈夫」

というのは、結構多くの方に
見られる誤解です。)

参加者の声の一部を以下に
掲載します。

外食実習3_2

「具体的にどのような栄養素、
食材が今の自分に必要かが
わかりました。

炭水化物は控えめに、
たんぱく質を多く摂取する
ことの大切さ

健康診断の数値の見方、それと
むくみにはたんぱく質が必要だと
いう事(意外でした!)。

普段の食生活で、食事を作る際や
外食する際に活かしていきたいと
思います。

特に子供には栄養バランスを配慮した
食事を作っていきたいです。

あとは、

・具体的な身体の悩み
(例えば冷え性、むくみ、生理痛)
についてどんな食事が有効か

・精神的に不安定な時に有効な
食事や栄養素について

も知りたいと思いました。

ゆり先生、とても有意義な外食実習を
ありがとうございました!

実際にお惣菜などをチョイスしながら
お食事してお話出来たことは
とても勉強になりました。

美味しいお食事が楽しい会話を
引き出してくれましたね。

とてもフランクな感じでお話させて
頂けたことに本当に感謝しています。


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統合失調症での「幻聴」「妄想」にも存在意義がある


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

一般に統合失調症の代表的な症状である
「幻聴」や「妄想」、特に被害妄想は、

患者本人にとって非常に苦痛で、

また家族をはじめ周囲の人にとっては 不可解で、
患者を不穏にしてしまう
非常に嫌な症状です。

しかしこうした一見了解困難な症状の
根元にある心理に注目することで、
少しでも患者さん本人の心の理解をし、

それによって治療を進めようとする
精神科医が、ごくごく少数派ながら
以前からおられます。

統合失調症はその性質上、やはり
かなり病状が深刻なことが多く、
心理面からのアプローチは

時間も労力も膨大にかかる
大変なプロセスなのですが、
上手くいくと病状が改善ないし 安定化
するだけでなく、

患者本人にとっても
自己評価が上がり

生きる意欲が出てきます。

また家族など周囲の人にとっても

「本人は、こんなことを感じ、
体験したから、ああいう反応を
せざるを得なかったのか。

だから今後はこういうアプローチを すれば、
支えていきやすいのだな」

とわかるので、症状に振り回されがちな
本人を「奇怪で理解不能」ではなく

「シビアな世界で精一杯生きている」
と見られるようになり、
周囲の人たちの心にとっても

間接的に楽にになる考え方といえます。

さて、患者さんの、
いわゆる
精神病世界に対しては、
以下の
ように見るのがポイントです。

幻覚(幻聴が代表的)や妄想は、
本人の不安や悲しみ、コンプレックス
などを象徴的(シンボリック)に
表現したものである。

例えば、

未婚であることを 気にしている人には
「あの人、もう40歳超えたのに 独身で、
今後どうするつもりかしら」

という複数人数のヒソヒソ声が 聞こえたり、
太めなのを気にしている人なら
何か口にするたびに

「あ~、また食べてる。
いいかげん、ダイエットすれば いいのに。
性懲りもなくあんなに
食べて・・・」

などと聞こえてくることが よくあります。

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また、「自宅から一歩でも出たら
スパイ組織に攻撃されるので 出歩けない」
とおびえている人は、

「人と上手く関係性を作れない 自分への劣等感」
や「他人への不信感」
が象徴的に
「スパイ組織」という妄想や、

そこから自分を迫害しようとする
幻聴を生み出しています。

健常者でも、夢の中の体験が
これに類似しています。

日頃から気がかりに感じていることが
夢に出てくるのはよくありますが、
覚醒後振り返れば、現実には
そこまで極端なことは起こり得ない、

もしくは荒唐無稽過ぎて
かえって
現実味がない、 という
ストーリーが多いものです。

しかし夢を見ている最中には
これ以上ないほどリアルで、
せっぱ詰まって感じられます。

統合失調症における幻聴や妄想 体験も、
このように極端なのですが、

夢を見ている最中に本人が
「夢だ」と認識するのが困難である のと同様、
幻聴や妄想を症状と 認識するのは、
統合失調症者にとっては
かなり困難なものです。

また、これは本人にはさらに
受け入れがたい点ですが、

「どんなに恐ろしい体験でも
誰にも存在を認められないよりはマシ」
という側面もあります。

典型的なのは、例えば
「どこにいても○○の組織の人たちが
自分を監視し、つけている。
家にいても盗聴器がしかけられている」

というものがありますが、
薬をのんで急激に幻聴や妄想が
ゼロになった場合、かえって本人が
落ちこんでしまうことがあります。

これは「精神病後うつ」といわれ、
時には自殺したくなるほど深刻な

状態になりえます。

では「嫌な体験が消えたのに、
なぜ落ちこむのか?」ですが、

確かに嫌で、怖い体験ながらも、
監視や追跡をされるということは
自分が何かの意味で特別で 注目に値する、
という前提があります。

ところが幻聴や妄想が解除され
現実に戻ってみると、自分は名もない、
他の誰とも区別されない一市民に過ぎない
という現実に直面することになります。

これが、自己評価の低下を
自覚することに
なり、時には
死にたくなるほどの
苦痛になるのです。

ただし、上記のような心の動きは
あくまでも無意識(潜在意識)レベルで
起きていることであり

顕在意識(本人が自分で把握している 意識)
レベルでは本気でこの
幻聴や妄想内容を
信じているし
 、そこから
逃れたいと切望しています。

ですから、上記のような解釈を
本人に伝えて直面化させようとしても 無理だし、
かえって有害なので
すべきではありません。

精神科医、原田誠一氏の
『正体不明の声――対処するための
10のエッセンス』(アルタ出版)

の中では、患者が自分の幻聴に気づき、
合理的な対処をするために、
幻聴について以下の基本知識を
持つよう助言しています。

1)幻聴のルーツは 「自分の気持ちや考え」である

幻聴につながりやすい気持ちや 考えトップ3

①後悔すること、自分を責める考え

②自分が意識したくない感情
例:人の成功を見聞したとき、
  称賛と同時に感じる妬ましさや反発心

③他人の考えや言動の想像
例:「あの人は私をこう思っている のでは?」など

いずれも、誰にも普通に生じる 心の動きです。

2)幻聴が聞こえてきても 受け流し、
相手にしないこと

相手にしない方が幻聴が静まりやすく、
逆に反論したり、聞き耳を立てると 悪化します。

3)幻聴は不安・孤立・過労・不眠 時に
生まれるので、これらの条件を
避けるように
生活に気をつける

「健常者」でも遭難時や無菌室などで
長く孤立させられた状況では、
いかに容易に幻聴が出てくるかを 説明しています。

4)幻聴が聞こえてきてしまったら
やり過ごすための手段をいくつか
普段から準備しておく

例えば

・食事や、好きな飲み物を摂る
・ガムをかむ
・仮眠をとる
・家事やガーデニングをする
・家族や友人と雑談する
・好きな音楽をかける

などです。

栄養療法的には、

・ゆで卵、チーズ、ナッツなど
 高タンパクで血糖値を急に上げにくい
 食物を少量摂る

・散歩やジョギングなど身体を動かす

もお勧めです。

なお、聞こえてきた声が実際のものか
幻聴かを区別する方法として

話している相手を視認でき、
その人が
面と向かって自分に語りかけてくる場合

自分以外の人(家族、友人、
精神科スタッフなど)もその声が聞こえる
と明言する場合

のみに、「声」を相手にする という方針を
提案しておられますが、
これが――特に①が、
非常に困難なのは
日頃の診療でいつも痛感します。

というのも、私も患者さん
(ここではAさんとしましょう)に、
例えば

「実際にその人(隣席のBさん)が、
Aさんに
『Aさん、(同僚の)Cさんをお茶に
誘って
断られたんだってね』と
言ったんですか?面と向かって?」

と何度も確認しても、
「ええ、そうです!」と いう答えが
返ってくることが多いのです。

で、詳細に聞くと状況が非常に微妙で、
例えばBさんが隣の席からAさんに
面と向かって話しかける状況では
「Aさんは…」ではなく 「あなたは…」

という代名詞で話しかけるのも自然であり、
その上、目線を合わせて話しかけてきた、
といわれれば、その状況をそれ以上
検証するのが難しくなります。

話の内容や流れからみると
明らかに幻聴であり妄想と考えざるを
得ないのですが、それを指摘しても
受容できないでしょうから、

やはり原田氏もいうように
「『声』が言ってきたことを議論せず、
自分の気持ちの安定のために、
『声』をやり過ごすこと」

の助言をするしかありません
(特に自費カウンセリングでなく、
診療時間が数分しか取れない
保険診療においては)。

記事中に紹介した
「正体不明の声」
ブックレットは、
現在入手困難 なよう
ですが、
氏が書いた別の本はアマゾンでも 購入可能です。

『統合失調症の治療』


この本は一応、治療家向けのものですが、

付録として、幻覚妄想を疑似体験できる
「バーチャルハルシネーションCD‐ROM版」

と解説パンフレットが収録されており
参考になると思います。

また、以下の過去記事もご参考に。

「幻聴」――ある日の体験から

次は、実際に心理カウンセリングで
統合失調症を克服した人による動画で、
とても励まされます。

早く、このような患者さんが
増えていく世の中になると良いですね。

・Eleanor Longden「私の頭の中の声」


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強迫性障害(強迫神経症)の心理は、誰の中にもある


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

8月8日の新聞の書籍広告で
『実体験に基づく 強迫性障害克服の鉄則
<増補改訂>』(田村浩二著、星和書店)
が載っていました。

実はこの本の前身は2001年に文芸社
(自費出版社)から出ており、私も
アマゾンで見つけて購入していました。

その書評がこちらです。
強迫性障害の自己治療のために(2)

このように、体験者ならではの
強い確信と、実感のこもった
ニュアンスをもって書かれた本です。

特に冒頭にある「鉄則リスト」が
よくまとまっています。

私がカウンセリングで関わった何人かの
患者さんにも勧めたところ、
やはりこのリストを何度も読み返す、
という方が多かったです。

強迫的な不安は、人間に普遍的な
心理傾向の一つです。

特に現代では仕事上(特に医療、
交通、建築など、安全性が何より
重視される分野)において

「指さし確認」
「ダブル、トリプルチェック」
といったことがマニュアル化され、

繰り返し確認するのは良いことだし
必要である、という価値観が
浸透しています。

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もちろん、それも真実なのですが、
何事もゆき過ぎると、メリットよりも
デメリットの方が大きくなり、

日常生活にも支障をきたすように
なりかねません。

そして「うつ状態」がそうであるように、
強迫症状もどんな精神疾患にも合併します。

たとえば

・子供

子供はまだ自分の感じていることを
言葉として表現する語彙があまりないので

不安の衝動、その不快さを
儀式的な行動やチック、場合によっては
奇声を発するといった行動で発散します。

・統合失調症

うつ病と同様、統合失調症になる前の
人の性格(病前性格といいます)にも
強迫傾向がみられることが結構あります。

・そしてもちろん、強迫性障害

一昔前には「強迫神経症」といわれていた
もので、うつ病や統合失調症の
症状は欠き、強迫症状が主症状の
場合です。

実は私も子供時代、一時
その傾向が
ありました。

初めて北米で暮らすようになった頃、
それまでと全く異なる環境で
小学校に上がり、間もなく適応しました。

同じクラスに親友も2人できて
とても楽しい時期だったのですが、
本人も認識していないレベルで
やはりいろいろ負担感はあったらしく、

変な行動を取っていた記憶が
かすかにあります。

1つは、「6が不吉で7が良い数字」
と思い込み、例えば椅子に座っていて
足をぶらぶらさせたら

「あ、今何回揺らしたっけ?
7回にせねば!」
と数え直したり。

もう1つは、今から考えると
いわゆる神経性頻尿なのですが
ひどいときには5分に1度トイレに
行かないといられないのでした。

幸い、いずれも一過性で
多分半年以内に消えましたが、
あの理不尽な焦り感、不安感
今でも覚えています。

それに基本性格はそんなに変わる
ものではないので、現在でも
時には戸締りなど、複数回
確認してしまうこともあります。

特に疲労や睡眠不足が続いていたり
何か懸案事項がのしかかっている
ときには、油断すると確認したく
なりますので、自制します。

で、強迫症状というのは
一見極端で「おかしい」行動なので
それをわずらったことのない人には
理解不能に感じられがちですが、

実際には誰の中にもその芽はあり、
ちょっとしたきっかけで(一時的な
ものを含めれば)誰でも
体験しうるものです。

例えば、こんなことがありました。

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私が大学病院勤務の頃、病棟で
看護師さんたちが備品の在庫整理を
したしたところ、

棚の奥から
検尿用の紙コップが数十個、
出てきました。

100個単位くらいでパックされているの
ですが、既に開封され、おそらく
2-3年経っているので、検尿には
もう使えません。

しかし日常的なレベルでは別に
不潔ではなく、捨てるのも
もったいない
ということで、

仕事を終えた看護師さんと
医師たちでその夕方、買ってきた
缶ビールとおつまみで、
医局でのプチ宴会となりました。

ビールを飲む器はもちろん、
消費期限を過ぎた検尿コップ。

白くて、内外の壁に「50ml」
「100ml」とか容量が印刷してあり、
底には尿の濁り具合を視認しやすく
するための三重丸模様が入っている物です。

お互いにビールを注ぎ
「いやあ、こうして見ると
尿そっくりだなあ~」

などと笑いながら、楽しく
飲みました(笑)。

しかし、もしこれがガラスコップで、
グラスを運んできた人が

「病棟で患者さんが間違って
コップに排尿しちゃったのが
あったのだけど、オートクレーブ(※)
滅菌(※)したから大丈夫」

といったら、どうだったでしょう?
それでもまあ、医療関係者なら
「滅菌」のすごさをわかっているので、

ビールを飲みはするでしょうが、
あまり良い気分はしないでしょうね。

それは「頭ではわかっているけど、
何か尿がついていそうで、汚い気がする」
からです。

この、
・頭では大丈夫だとわかる
・でも感情面で納得できない、嫌だ
・だから~し直したい

というのが強迫性不安の心理です。
(この「~」のところに「手を洗うこと」
「戸締り」などが入ります)

————————————
(※)オートクレーブ、滅菌
「滅菌」とは「除菌」「消毒」「殺菌」よりも
はるかに強力で徹底的な、菌をなくす

方法で、菌がゼロの状態です。

オートクレーブとはこの滅菌状態を
実現するための機器で、高温・高圧下に
一定時間置くことで菌をゼロにします。

外科用の手術道具など、「菌がゼロ」
にすることが必須の医療器具に
用いる
方法です。
————————————

この「嫌な感じ」、そのイメージの
影響力がうんと増大してしまったものが
強迫性障害なのです。

上記の本もおそらく、自費出版ながら
継続的に売れているのでしょう
(実際、2009年に私が買った本も
既に第4刷でした)。

それで、星和書店という、精神・心理学
関係では大御所の出版の一つから今回、
出版されることになったのでしょうね。

しかも「鉄則」も少し補強されたらしく、
今回の増補改訂版では40個になっています。
ページ数も2倍強に増。

なお、冒頭の書評のほか、もう1冊
強迫性障害の自助本についても
過去記事に書いています。

今回の「鉄則本」の書評の理解の
前提にもなっていますので、
下記も併せてご一読いただけると
幸いです。

強迫性障害の自己治療のために(1)


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「幻聴」――ある日の体験から


こんにちは!
ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

一般に精神疾患、なかでも統合失調症は、
よくわからない、異質な世界に
入ってしまった人たちの話だと
思われがちです。

しかし統合失調症の罹病率は1%弱
いわれており、

例えば首都圏の満員電車1車両あたり
1名くらいは統合失調症の人が
乗っている計算になるのです。

そのくらい、この病は一般的です。

また、人の心にはさまざまな側面があり、
日常的な落ち込みの先に
病としてのうつ病があるのと同様、

ちょっとした気の遣い過ぎ、憶測、
自責感がどんどん進んでいった先に
被害妄想や幻聴が出現するものであり、

そのもとになる心理的傾向は
人間だれしも、正常な心の反応の中に
含まれています。

 

例えばある男性は朝食後、急いで
歯磨きをしていたところ、練り歯磨きの
白い泡が口からあふれて、
ズボンの下腹部に落ちてしまいました。

急いでぬぐいましたが、
乾いてからも何だか白いシミが
残っている気がします。

出勤時間にぎりぎりなので彼は仕方なく
そのまま家を飛び出しましたが、
場所が場所なので

「精液を漏らしたと勘違いされたら
どうしよう?」

と心配でした。

いつものホームに並び、満員電車に乗りましたが、
並んでいても、乗ってからも
何だか周りの人たち――

特に女性たちが
チラリと彼の下腹部を見たり、2人連れが
互いに目配せしたり、

座席を移るなど彼から微妙に距離を
置いたりするように思えます。

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友人らしき2人の女性は彼をチラッと
見てから、クスクス笑いながら

「朝から信じられないよね~」
「何か、におわない?」

と、嫌そうにいうのがかろうじて
聞こえてきます。

彼は「やっぱり勘違いされてしまった。
違うのに・・・」と、ショックを
受けます。

とても恥ずかしく感じ、身の置き所が
ない数十分間を過ごしました。

その後1-2時間ほどは落ち込みましたし、

何日かはやや過剰なほどに
歯磨き時に服を汚さないように
していましたが、そのうちその
体験のショックも薄れ、

またもとのように「ふつう」な気分で
毎日を送れるようになり、特に
電車に乗るのも苦痛にはなりませんでした。

あの日の女性たちの言動も

「自分のことだったかもしれないが、
たまたま他の話をしていたのを、
自分に関係づけて思い込んで
しまっただけかも。

忙しいなか、皆が僕のことを
いつまでも覚えていやしないだろうし」

という、合理的な検討の余地が出ています。
それが、彼が冷静さを早く取り戻す
一つの根拠になっています。

彼はこのように、自分の主観だけでなく
客観的視点も入れて自分の体験を
振り返ることができたので、
病的な症状には進みませんでした。

しかしこれが、

「彼女たちは絶対に自分を笑っていた!」

確信してしまうと、
その場面に留まらず
「会社でも」「近所でも」「自宅にいても」
常に周りに見られる、うわさされる、

更に最近なら「インターネットで
自分のことが拡散されている」
という風に感じてしまい、

安らかな気持ちでいられる場所が
なくなってしまいます。

これが持続すると、統合失調症と
判断せざるを得ない状態になります。

で、統合失調症の患者さんたちが
自分の妄想を 妄想ではなく現実だと
確信する、本人が「証拠」と
感じるのが、「幻聴」の存在です。

前述の例でいうと、電車の中で女性たちが
話し合っていた会話内容のように
その時点で本人が最も気にしていることが
音声として聞こえてきてしまうものです。

(ただし、今回の例の彼は統合失調症では
ないので、医学診断的には幻聴ではなく、

いわゆる「聞き違い」レベルなのですが。)

幻聴とというのは非常に微妙なもので、
例えば誰もいない所ではっきりと
人声が聞こえてくればわかりやすいですが、

身近で、実際には別の話題をしているのに
自分のことを「明らかに」話しているように
感じてしまうことも多いのです。

その際、患者さんは

「自分しか知らないことを
話していた。だからこれは自分の
思い違いではなく、現実に起きている
ことなんだ」

という風に考えます。

しかし実際には、幻聴とは
本人の心の中で考えていることが
音声化して頭の中に響く現象なので

「本人しか知らないこと」が
聞こえてくるのは、当たり前なのです。

さて前置きが長くなりましたが、
このように、何か気になることがあると
周りの人たちがそれを感知して
うわさしている、

と感じてしまうのは
人間なら誰にでもある基本的な
心理反応です。

そしていったん幻聴が出てくると、
その内容は本人が最も気にしている、
人に知られたくない、あるいは怖い
内容のことがほとんどのため、

幻聴が出るようになると
日常生活を冷静に送るのが
極めて困難になってしまいます。

この大変さを理解してもらうため、
去年、大阪西区社会福祉協議会主催で
「幻聴体験講座」が主催されました。
(2013年11月6日朝日新聞)

講座では講師の説明中、背後で不気味な
つぶやき声や「ふふふ…」などの笑い声
が聞こえてきました。

聴講者たちは動揺し「ラジオか何かの
声がうるさい、止めてほしい」と
伝えたところ、

これは参加者に
幻聴を体験してもらうため、
録音しておいた音声が隠しスピーカーから
流れるようにしていたとのことです。

わずか1時間の講義だったのに、
その間、講師の声以外に「幻聴」も
混じり合って聞こえてしまい、

講義の内容に集中できず、取材した
記者は「頭をかきむしりたくなる」
と述べていました。

そのくらい、きつい体験です。


で、先日私も、偶然「幻聴体験」を

することになり、上の記事を
思い出したのでした。

その日はあるセミナーに参加していました。

開場はレンタルの会議室で、
そのビルのフロア各階には複数の
大小の会議室が入っています。

大人数の部屋が多いため、
開場側で本格的なスピーカーやアンプを
設置しており、部屋の隅々まで
声が届くようになっていました。

セミナー

ところがその日に限って、講師の話が
聞こえにくくなり、代わって
隣の部屋の講師の声が入るように
なってしまいました。

電波の混線です。

こちらの講師も一生懸命話しているのですが
それ以上のボリュームで隣室講師の声が
入ってしまい、

しかもちょうど話の内容の
キーワードも類似していたので

聴いていると ついそちらに
引っ張られてしまいます。

すぐに会場スタッフが飛んできて
調整し、間もなく直りましたが、
わずか10分程度でも結構
思考散漫になってしまいました。

統合失調症の方はこうした世界に
住んでいます。

もし身近にそうした方々と接する
機会があったら、
「自分とは異なる、異質な人たち」
と思うのではなく、

非常な不安と考えにくさの中で
格闘しながら生きていることを
少しでも想像していただけましたら
幸いです。


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